印刷する
研究演習3年 4単位 2014年度以後入学生
  経済 3年以上 経営    
2013年度以前入学生
渡辺 寛之 通年1コマ   経済 3年以上 経営    
備考  
シラバス1

【授業の目的】

授業の位置付け(対応するディプロマポリシー):思考力・判断力・表現力
経済学部経済学科における共通必修科目として、本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献することを目標とする。具体的には,ベイズ計量経済学やフィナンシャルエコノメトリックスと呼ばれる手法を用いて社会事象を捉え,分析し,問題を解決する能力を身につけることを目標とする。

【到達目標】

1.基礎的なベイズ計量経済学の内容を理解する
2.資料作成,ディスカッションなどを含めた総合的なプレゼンテーション能力の向上
3.ベイズ計量経済学を用いて現実経済の課題に取組むことができる.

【授業計画】

「講義方法」
この講義は対面方式でおこないます。学校閉鎖になった場合は、金曜4限の時間にZoomでおこないます。その際、講義開始時間になったらZoomのURLを講義案内システムの掲示板で知らせます。Zoomの最後には毎回リアクションペーパーの提出があります。リアクションペーパーはMicrosoft Wordのファイルです。

ベイズ計量経済学,フィナンシャルエコノメトリックスなどのテキストの輪読を中心に進めていこうと思います。使用するテキストは履修者と相談の上,決定します。パソコン演習ではPythonやRを用いた計算コードの記述と解説を求め、当該アルゴリズムが実装されていることを確かめます。また進捗状況により教員が参考のために計算コードを与えることも考えています。

(前期)
1.オリエンテーション,ベイズ計量経済学の基本概念
事前学習:自分自身のバックグラウンドを説明する準備を行う
事後学習:興味が共通したゼミ生を見つけ、情報交換する

2.統計学の準備(確率分布、期待値、分散、共分散)
事前学習:参考書[1]の該当箇所を読む
事後学習:確率分布、期待値、分散、共分散のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

3.最小2乗法
事前学習:参考書[1]の該当箇所を読む
事後学習:最小2乗法のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

4.t検定
事前学習:参考書[1]の該当箇所を読む
事後学習:t検定のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

5.尤度関数
事前学習:参考書[1]の該当箇所を読む
事後学習:尤度関数のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

6.フィッシャー情報量
事前学習:参考書[1]の該当箇所を読む
事後学習:フィッシャー情報量のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

7.確率の乗法定理とベイズの定理
事前学習:参考書[2]の該当箇所を読む
事後学習:確率の乗法定理とベイズの定理のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

8.事後分布、事前分布、基準化定数
事前学習:参考書[2]の該当箇所を読む
事後学習:事後分布、事前分布、基準化定数のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

9.マルコフ連鎖と定常分布
事前学習:参考書[2]の該当箇所を読む
事後学習:マルコフ連鎖と定常分布のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

10.モンテカルロ法
事前学習:参考書[2]の該当箇所を読む(他に追加のテキストを指示する)
事後学習:モンテカルロ法のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

11.Gibbs Sampling(1)
事前学習:参考書[4]の該当箇所を読む
事後学習:Gibbs Samplingのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

12. 完全条件付き分布
事前学習:教員が簡単なfull conditionalの導出法のレジメを用意するので、それを読む
事後学習: 完全条件付き分布のテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

13.Gibbs Sampling (2)
事前学習:参考書[3]の該当箇所を読む
事後学習:Gibbs Samplingのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

14.Metropolis Algorithm
事前学習:参考書[2]の該当箇所を読む
事後学習:.Metropolis Algorithmのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

15.前期まとめ
事前学習:前記の内容を振り返り、どうしたら自分の能力を高めることができるのかアイデアをまとめる
事後学習:グループで前期の内容を振り返り、どうしたら自分達の能力を高めることができるのかアイデアをまとめる

(後期)
1.後期オリエンテーション
事前学習:参考書[3]の当該箇所を読み、後期の学習の準備をしておく
事後学習:オリエンテーションで設定した自分の課題について、それぞれ参照書の当該部分を読む

2.時変パラメーターモデル
事前学習:参考書[3]の該当箇所を読む
事後学習:時変パラメーターモデルのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

3.カルマンフィルタ
事前学習:参考書[3]の該当箇所を読む
事後学習:カルマンフィルタのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

4.パソコン演習(1)
事前学習:カルマンフィルタの実装に挑戦し、うまくいかない箇所を確認しておく
事後学習:カルマンフィルタの実装について授業中に指摘された部分を再確認する

5.レジームスイッチングモデル
事前学習:参考書[3]の該当箇所を読む
事後学習:レジームスイッチングモデルのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

6.ハミルトンフィルタ
事前学習:参考書[3]の該当箇所を読む
事後学習:ハミルトンフィルタのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

7.パソコン演習(2)
事前学習:ハミルトンフィルタの実装に挑戦し、うまくいかない箇所を確認しておく
事後学習:ハミルトンフィルタの実装について指摘された部分を再確認する

8.ボラティリティ変動モデル
事前学習:参考書[4]の該当箇所を読む
事後学習:ボラティリティ変動モデルのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

9.パソコン演習(3)
事前学習:MCMCの実装に挑戦し、うまくいかない箇所を確認しておく
事後学習:MCMCの実装について指摘された部分を再確認する

10.パーティクルフィルタ
事前学習:参考書[4]の該当箇所を読む
事後学習:パーティクルフィルタのテキスト報告について、指摘された部分を再確認する

11.パソコン演習(4)
事前学習:パーティクルフィルタの実装に挑戦し、うまくいかない箇所を確認しておく
事後学習:パーティクルフィルタの実装について指摘された部分を再確認し、
パーティクルフィルタの限界について考える

12.周辺尤度とモデル比較
事前学習:参考書[4]の該当箇所を読む
事後学習:パーティクルフィルタの実装について指摘された部分を再確認し、
パーティクルフィルタの限界について考える

13.パソコン演習(5)
事前学習:周辺尤度の推定に挑戦し、うまくいかない箇所を確認しておく
事後学習:周辺尤度の実装について指摘された部分を再確認する

14.応用研究についての報告
事前学習:応用研究報告会の準備をする
事後学習:他のゼミ生の応用研究の評価できる点について、自分の研究にも活かせるか検討する

15.後期まとめ
事前学習:1年間の内容を整理し、ノートにまとめる
事後学習:自分に向いている生き方(例えば仕事)を探す

【予習・復習】

予習の時間:約2時間,復習の時間:約2時間

【授業関連科目】

経済学に関わるすべての科目

【成績評価方法・注意】

討論・プレゼン(50%)、レポート(50%)
各学生が自分が調査すべき課題を見つけ、課題について調査する適切な方法を学び、調査結果をレポートにまとめ、パワーポイントで報告してもらいます。発表内容とレポートを担当教員がチェック・評価し、成績評価を行います。合計点100点です。講義のはじめに点呼による出席の確認を行うので、スマートフォンを持参する必要はありません。

【教科書】

教科書を使用しない

【参考書】

著者:参考書[1] 岩田暁一 書名:経済分析のための統計的方法 出版社:東洋経済
著者:参考書[2] 中妻照雄 書名:入門ベイズ統計学 出版社:朝倉書店
著者:参考書[3] Kim and Nelson 書名:State Space Model with Markov Switching 出版社:MIT Press
著者:参考書[4] Geweke etal. 書名:The Oxford Handbook of Bayesian Econometrics 出版社:Oxford University Press