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博物館実習 3単位 2014年度以後入学生
3年以上 経済 3年以上 経営 3年以上 3年以上
2013年度以前入学生
福本 明 通年1コマ   経済   経営    
備考 学芸員科目,博物館見学に行くことがあるので、できれば金曜は他科目の履修を控えること(特に後期)
実務経験 内容 倉敷市教育委員会で学芸員及び文化財保護課課長として勤務し、文化財全般に関する保護保存、活用等に関する実務経験を積んだ。また公益財団法人倉敷考古館に学芸課長として勤務し、博物館の運営や展示等に関する実務経験を積んだ。
授業との関連 担当する博物館学芸員課程において、文化財としての博物館資料の保護保存、および資料展示や博物館運営等の実務経験を基にした講義を行い、実践的な技術や知識を教授する。
シラバス1

【授業の目的】

学芸員課程の必修専門科目ならびに全学共通の一般知識科目として、学芸員課程の履修学生にとっては本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献し、他の学生にとっては「幅広い学習機会の提供」ともなる。

【到達目標】

学芸員課程の最終段階として、これまで習得した知識・理論を基に学芸員の業務の実際を体験し、学芸員としての基本的な姿勢と技術の実践的能力を養うために、次のことができること。

1.資料の収集、整理・保存、調査・研究の基礎知識を実務に活かすことができる。
2.資料ごとの取り扱い技術及び展示に関わる実務を身につけ、実行できる。
3.資料や関係者に対する態度・マナーを身につけ、実行できる。
4.主たる博物館活動の企画・立案・実施に関する初歩的作業ができる。
5.博物館見学において、多様な館種の実態を理解することによって学芸員としての視点を明確にし、必要な情報収集ができる。
6.館園実習による体験を通じて得た知識・理論を基にして、論理的に発表しかつ文章にまとめることができる。

【授業計画】

この講義では、できるだけ実物の博物館資料を用いて実習を行う。また必要に応じて教科書の補助として資料を配布する。
オンライン対応時には、「講義掲示板」で課題を入れた資料を配布するので、課題を調べてレポートを作成し、「講義掲示板」で提出すること。


授業方法:受動型、能動型(a:実習、b:演習)、フィールドスタディ(f)

1.博物館実習の目的・内容・心構え 受動型
   教科書:第1章
事前学修:博物館実習の項目と留意点について確認しておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

2.博物館資料の取り扱い実習(1)美術・工芸資料      a
   教科書:第2章第1節
  事前学修:分野別、材質別の取り扱い方法について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

3.博物館資料の取り扱い実習(2)書跡・典籍・古文書資料     a
   教科書:第2章第2節
  事前学修:典籍、古文書の種類について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

4.博物館資料の取り扱い実習(3)考古資料     a
   教科書:第2章第3節
  事前学修:考古資料の整理作業方法について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

5.博物館資料の取り扱い実習(4)民俗資料     a
   教科書:第2章第4節
  事前学修:民俗資料の分類について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

6.博物館資料の取り扱い実習(5)日本画・その他    a
   別途資料配布
  事前学修:日本画の表具の種類について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

7.博物館資料の取り扱い実習(6)掛軸・その他    a
   別途資料配布
  事前学修:軸装の名称について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

8.博物館資料の取り扱い実習(7)陶磁器・ガラス製品、漆器       a
   別途資料配布
  事前学修:陶磁器の種類ついて調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

9. 博物館資料の取り扱い実習(8)書跡資料(古文書)           f
   別途資料配布          
  事前学修:古文書の種類、形態について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること 

10.博物館資料の取り扱い実習(9)工芸品等(刀・武具)          a
   別途資料配布
  事前学修:刀の手入れ方法について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
     
11. 博物館資料の基礎作業実習(1)梱包の仕方              a 
   別途資料配布  
  事前学修:梱包方法の種類、技術について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

12. 博物館資料の基礎作業実習(2)拓本技術               a
   別途資料配布
  事前学修:拓本の技術について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

13. 博物館資料の基礎作業実習(3)実測技術               a
   別途資料配布
  事前学修:土器の実測方法について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

14. 博物館資料の基礎作業実習(4)調書・スケッチの取り方    a
   別途資料配布
  事前学修:調書の記入項目について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

15. 博物館実地実習の指導・諸注意 ―注意事項と博物館実習ノートの点検― 受動型

    【博物館実地実習】(夏休み期間中)

16. 博物館資料の基礎作業実習(5)写真撮影技術 f
   別途資料配布
  事前学修:カメラの絞りとシャッタースピードの関係について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

17. 博物館見学実習(1)津山市周辺                    f
  事前学修:博物館の定義について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

18. 博物館見学実習(2)姫路市内               f
  事前学修:博物館の定義について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

19. 博物館見学実習(3)倉敷市内               f
  事前学修:博物館の定義について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

20. 博物館見学実習(4)福山市内               f
  事前学修:博物館の定義について調べておくこと
  事後学修:配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
   
21. 博物館実習の事後指導 館務実習の報告発表・討論           b
  事前学修:館務実習の感想についてまとめておくこと
  事後学修:討論の内容を見直し、理解を深めること

22. 博物館見学実習の事後指導 見学実習の報告発表・討論         b
  事前学修:見学した館について、感想・意見をまとめておくこと
  事後学修:討論の内容を見直し、理解を深めること

23. 企画展の実務(1)―展示計画の検討―                a
  事前学修:展示計画についての案を検討しておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

24. 企画展の実務(2)―テーマの設定―               a
  事前学修:展示テーマの候補ついてまとめておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

25. 企画展の実務(3)―展示企画書の作成―              a
  事前学修:企画展の趣旨についてまとめておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

26. 企画展の実務(4)―展示資料の調査、選定―              a
  事前学修:展示資料の候補について調べておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

27. 企画展の実務(5)―展示レイアウトの検討、作成―          a
  事前学修:テーマに沿った展示資料を調べておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

28. 企画展の実務(6) ―チラシ・ポスターの作成―           a
  事前学修:チラシ・ポスターの案を考えておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

29. 企画展の実務(7)―資料、解説パネル、キャプションの展示―     a
  事前学修:解説、キャプションについて内容を確認しておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

30. 博物館実習の総括 ―到達目標の自己評価発表―            b
  事前学修:自己評価の発表資料を準備しておくこと
  事後学修:資料を見直し、内容を確認して理解を深めること



【予習・復習】

予習時間:2時間程度 
 予習の目標値(内容):授業計画の事前学修の各項目について調べておく。
復習時間:2〜3時間
 復習の目標値(内容):教科書の記述・配付資料・ノートで実習内容を照合し、再確認する。

【授業関連科目】

生涯学習概論、博物館概論、博物館経営論、博物館資料論、博物館資料保存論、博物館展示論、博物館教育論、博物館情報・メディア論

【成績評価方法・注意】

レポート、討論・プレゼン(試験なし)

 レポート(展示企画書、館務実習・見学実習)、博物館実習ノート(各授業内容の記述)、プレゼン等を総合して評価する。レポートの課題は、それぞれについて次の授業等でコメントするなど逐次指導し、成果物を提出させる。
館務実習を伴うため、学芸員課程履修生のみを対象とする。
毎回、セキュリティシートで出席登録を行うので、スマホを持参すること。

【教科書】

著者:全国大学博物館学講座協議会西日本部会編 書名:『博物館実習マニュアル』 出版社:芙蓉書房出版

【参考書】

適宜指示する