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金融工学入門 2単位 2014年度以後入学生
2年以上 経済 2年以上 経営 2年以上 2年以上
2013年度以前入学生
渡辺 寛之 後期1コマ 3年以上 経済 2年以上 経営 2年以上 2年以上
備考 定員40名程度 *法:企業コース生のみ
シラバス1

【授業の目的】

授業の位置付け(対応するディプロマポリシー):DP1 専門知識,DP3 思考力,DP4 判断力
経済学部経済学科に関わる専門科目として、本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献することを授業目標とする。他学部の学生にとっては「幅広い学習機会」にもなる。

【到達目標】

受講生が受講終了までに次のようなことができるようになることが到達目標である。
1. 株式、債券、デリバティブなどの金融資産について説明することができる
2. ポートフォリオ理論、割引現在価値、CAPM,APTなどの基本的な資産価格モデルの特徴を説明することができる
3. コンピューターを使ってボラティリティを推定することができる

【授業計画】

本講義では証券投資論と計量ファイナンスについて学びます。
(なお参考書として日本証券アナリスト協会推奨図書を用います)

1. イントロダクション:基礎概念の解説および授業内容、評価方法等の説明
2. 確率分布、期待値、ベイズの定理など金融工学に必要な数学の準備
3. ポートフォリオ理論(1)
4. ポートフォリオ理論(2):マルコビッツモデル
5. 金利、割引率、割引現在価値、バブル
6. 資本資産評価モデル(CAPM)(1)
7. 資本資産評価モデル(CAPM)(2)
・事前学習:参考書(大村敬一・俊野雅司)の該当箇所を読む
・事後学習:資産価格モデルについてノートにまとめる
8. 裁定価格理論(APT)(1)
9. 裁定価格理論(APT)(2)
10. 債券の評価方法と金利の期間構造
11. 先物、スワップ、オプション
12. ブラック・ショールズの公式
13. 株価の確率過程とモンテカルロシミュレーション
14. マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)によるボラティリティの推定
・事前学習:参考書(Kim and Nelson, 渡部)の該当箇所を読む
・事後学習:ボラティリティの意味とその推定についてノートにまとめる
15. 講義のまとめ:これまでの講義内容の総復習、レポート課題の解説

なお計量経済学の文献については
 Kim and Nelson 『State-Space Models with Regime Switching』MIT Press
 渡部敏明 『ボラティリティ変動モデル』 朝倉書店を参照
証券投資論と計量ファイナンスの文献については【参考書】欄を参照
コンピューターシミュレーションについては適宜指示します

【予習・復習】

予習(1時間程度)指定した文献を読み、疑問点や問題点を整理しておくこと。
復習(3時間程度)配布プリントの内容を復習し理解を深めるとともに、課題に基づいて発展的に探究し、レポートを作成すること。

【授業関連科目】

統計学総論、計量経済学

【成績評価方法・注意】

上記の到達目標にどの程度達しているかを記述式の試験問題を作成して期末試験を実施し、その結果に基づき評価する(50点満点)。また、課題レポートを課し、レポート内容が到達目標に近づいたものは成績評価に加点する(50点満点)。なお、次回の授業で、優れた着眼点は披露し、誤解についてはコメントする。

【教科書】

教科書を使用しない

【参考書】

著者:小林孝雄・芹田敏夫 書名:新・証券投資論 出版社:日本経済新聞出版社
著者:ルーエンバーガー 書名:金融工学入門 出版社:日本経済新聞出版社
著者:Campbell, Lo, and Mackinlay 書名:ファイナンスのための計量分析 出版社:共立出版
著者:大村敬一・俊野雅司 書名:証券投資理論入門 出版社:日本経済新聞社