シラバス1
【授業の目的】
本演習では、本学が講義形式の授業として提供している憲法・民法・刑法などをはじめとした実定法が、裁判官・検察官・弁護士などによって実際にはどのように実行・実現・運用されているのかをメンバー全員で理解を深めることを目標とする。すなわち、授業計画にあるような内容の知識を習得し、ゼミでの報告を通じて、表現力や主体的に学習に取り組む姿勢を身につけることを期待する。
【到達目標】
1)報告担当回にあたっては、与えられたテーマについて、テキストだけでなく可能な限りの参考文献も調べた上で、ゼミ参加者にとってわかりやすいレジュメにまとめ、物怖じせず堂々と人前で発表できるようになること。これは卒業後社会に出て、いわゆる「プレゼン」というものをする際の度胸をつける基礎的な経験となる。2)報告担当以外の回でも、報告者の報告に耳を傾けたうえで、自分なりの意見を表明できるようになること。また、報告者の報告を鵜呑みにするだけでなく、批判的に傾聴したうえで自分なりの考えを表明できるようになれば尚良い。高校までの教師の言うことをフォアグラの如く詰込む勉強ではなく、大学以降の勉強では他人の言うことを批判的にかつしっかり聞く姿勢が大切です。そうした姿勢を本講でできるようになってほしい。3)本講で学んだ内容について理解を深め、これまでおよびこれから学ぶ実定法を学習する際に本ゼミでの経験と関連付けることができるようになっていただければ幸いである。
【授業計画】
<<授業方法> 本講は、原則として対面授業(通常の授業)で行う。ただし、緊急事態宣言発令など、対面授業の実施が困難になった場合は、Zoomを用いたオンライン形式で授業を行う場合がある。
第1回 イントロダクション <予習>1年間共に勉強する仲間との初顔合わせなので、簡単な自己紹介を準備して下さい。 <復習>自分の割り当てられた(以下に掲げる)報告テーマについて、教科書などを読んで報告準備に着手すること。
第2回 紛争は市民の身近にある <予習>自分が経験した「トラブル」について思い出していただき、これに対してどのように解決したか(あるいは納得のいく解決ができなかったか)を披露できるように準備して下さい。 <復習>ほかの人や教科書の統計で表れたの紛争解決方法と、自分の対処方法を比較し、どうすべきだったかを検証して下さい。
第3回〜第10回 日本の司法を考える
第3回 いろいろな裁判、 <予習> 全員教科書p.21〜p,26を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメ(フランス語で「要約」という)を準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第4回 民事の裁判、 <予習> 全員教科書p.27〜p,39を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第5回 裁判所以外での紛争解決、 <予習> 全員教科書p.40〜p,52を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第6〜7回民事事件における日本人の法行動と法意識、 <予習> 全員教科書p.53〜p,65を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第8回刑事の裁判 <予習> 全員教科書p.66〜p,81を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第9回行政の裁判、 <予習> 全員教科書p.82〜p,89を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第10回司法へのアクセスの課題と対策。 <予習> 全員教科書p.90〜p,102を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第11回〜第14回 司法権の現状はどうなっているのか
第11回司法権の位置づけと仕組み、 <予習> 全員教科書p.105〜p,121を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第12回日本の司法制度の歴史・沿革、 <予習> 全員教科書p.122〜p,139を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第13〜14回裁判官のおかれた状況と統制など。 <予習> 全員教科書p.140〜p,163を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第15回 小括
第16回〜第23回 司法権を担う人々にはどのような人がいるか
第16回 日本の法律家 <予習> 全員教科書p.167〜p,174を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第17回弁護士 <予習> 全員教科書p.175〜p,184を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。 第18回裁判官 <予習> 全員教科書p.185〜p,195を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第19回検察官 <予習> 全員教科書p.196〜p,204を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第20回 法曹養成制度 <予習> 全員教科書p.205〜p,215を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。 、 第21〜22回隣接法律専門職(司法書士・行政書士など)について。 <予習> 全員教科書p.216〜p,235を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第23回〜第26回 司法権は専門家だけが担っているのではない
第23回 裁判員制度とは何か <予習> 全員教科書p.239〜p,249を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
第24回 裁判員となるあなたのために <予習> 全員教科書p.250〜p,257を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。
、 第25回 裁判員以外の国民参加。(検察審査会・調停委員など)。 <予習> 全員教科書p.258〜p,267を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。、
第26回 訴訟を支援する人々・裁判を監視したり裁判の改善を目指す運動。 <予習> 全員教科書p.268〜p,272を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。、
第27回〜第28回 これからの司法のために <予習> 全員教科書p.275〜p,312を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること。、
第29回 あるべき司法実現の課題は何か <予習> 全員教科書p.313〜p,317を読んでくること。報告者は、教科書の内容をわかりやすくまとめたレジュメを準備し、他のゼミ生からの質問に答えられるよう準備してくること。 <復習> もう一度、レジュメを片手に教科書を読み直し理解を深めること.
第30回 まとめ
その他、課外で裁判所見学(実際の刑事裁判を傍聴します)、昼食会なども要望があれば実施したい。また、裁判員制度(第23〜24回参照)の理解深めるために、制度開始当時に最高裁判所が制作した広報ビデオも折を見て鑑賞したい。
【予習・復習】
<予習・復習について> 報告担当者は、担当範囲のテキストの内容をまとめるだけでなく、可能なかぎりでの参考文献なども参照して、レジュメを作成し、授業で報告すること(2〜3時間程度)。 報告担当者以外も、予習として、最低限テキストには目を通してきて、疑問点や自分なりの意見を考えてくること(所要時間1.5時間程度)。 復習としては、授業の後に、各自、報告担当者が作成したレジュメや教科書をもう一度よみなおし、理解を深めておくこと(0.5時間〜1時間程度)。
【授業関連科目】
本ゼミでは、憲・民・刑・行政法などのあらゆる実定法と関連する内容を扱いますが、受講に際し1年次での学習内容に苦手意識を持つ人でも歓迎します。本講は強いて言えば法社会学という学問領域といえるでしょうか。
【成績評価方法・注意】
出席および報告回での報告の出来具合を中心に評価する。また、自分があたった報告の回・分担だけでなく、他人の報告回での授業の貢献度(活発な質疑応答・意見表明)も成績評価に大いに盛り込む。 なお、もちろん出席を重視するが、単に黙って座っているだけでは出席と認めない。 また正当な理由なく一定回数以上欠席した場合には単位を与えない。また、報告担当回での欠席および報告懈怠は、原則一発でレッドカードとする。
【教科書】
著者:木佐茂男=宮澤節生=佐藤鉄男=川嶋四郎=水谷規男=上石圭一 書名:テキストブック現代司法(第6版)ISBN978-4-535-51987-9 出版社:(日本評論社・2015年)
【参考書】
適宜指示する
シラバス2
【授業形態】
【授業方法】
受動型 |
アクティブラーニング |
その他 |
課題解決型 |
ディスカッション ディベート |
グループワーク ペアワーク |
プレゼン テーション |
フィールド スタディ |
その他 |
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○ |
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【受講生のPC等使用】
PC・タブレット (教室に備付) |
PC・タブレット (学生自身が準備) |
スマートフォン |
その他 |
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【初年次教育】
【接続科目】
【評価(方法)手段】
評価(方法)手段 |
学部・学科カリキュラム・ポリシー(CP) |
知能・技能 |
思考・判断・表現力 |
主体性・態度 |
CP1 |
CP2 |
CP3 |
CP4 |
CP5 |
CP6 |
CP7 |
CP8 |
CP9 |
専門知識 |
一般知識 |
思考力 |
判断力 |
会話・文章力 |
意欲・責任感 |
協調性 |
持続性 |
倫理観 |
評価(方法)手段 |
○ |
|
○ |
|
○ |
○ |
○ |
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学習目標(比率) |
40% |
|
10% |
|
20% |
10% |
20% |
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評価手段(比率) |
試験 |
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小テスト |
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レポート |
40% |
20 |
|
10 |
|
10 |
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|
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成果発表 |
45% |
20 |
|
|
|
10 |
5 |
10 |
|
|
受講態度 |
15% |
|
|
|
|
|
5 |
10 |
|
|
その他 |
|
|
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|
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対応するディプロマ・ポリシー(DP) |
知能・技能 |
思考・判断・表現力 |
主体性・態度 |
DP1 |
DP2 |
DP3 |
DP4 |
DP5 |
DP6 |
DP7 |
DP8 |
DP9 |
専門知識 |
一般知識 |
思考力 |
判断力 |
会話・文章力 |
意欲・責任感 |
協調性 |
持続性 |
倫理観 |
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○ |
○ |
|
○ |
|
○ |
|
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