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開講科目名 研究指導1年後期 大学院
担当教員名 長田 貴仁 開講期 単位数
後期 2単位
実務経験 内容 プレジデント社に編集者、記者として勤務し、ビジネス・ジャーナリズムに関する実務経験を積んだ。現在もジャーナリスト、経営評論家として取材し、メディアに発信している。
授業との関連 著名経営者やビジネスマン、技術者にインタビュー、執筆、編集した経験をもとに、現代ビジネスの実態について言及し、経営学とジャーナリズムの観点から理論的・実践的知識を教授する。
シラバス1

【授業目標】

本研究科の教育目標である「地域社会の発展を支えるグローバルな視野を持つビジネス・プロフェッショナルの養成」に貢献することを授業目標とするが、数字だけを読み取る単なる「分析屋」に陥らないよう、「経営学的思考」を身に着ける。経営には非合理性がつきもの。定量分析を超えて洞察し、非合理性を合理的に説明する能力が求められる。そのような能力を磨き、修士論文においても「アンケートでこのような結果が出たので、結論はこうです」といった稚拙な内容にならないように指導する。
経営学を語れても経営を語れない「経営哲学がない人」にはならないようにしたい。具体的には、初年度の演習であることを鑑み、修士論文完成に向けて準備を行う。少人数クラスのメリットを生かし、担当教授と大いに語り合う「ゼミ本来の姿」を実践したい。学問のみではなく、人生について一緒に考える「長田塾」とし、インテリジェントかつ思い出に残る師弟関係を築きたい。

【到達目標】

受講生は終了時までに次のようなことができるようになる。
1.商学研究科の学生として知らないでは済まされない「経営戦略の常識」を習得できる。
2.経営学の理論と照らし合わせて、現実のビジネス現象を分析できるようになる。
3.「経営学を実践する力」が高まる。
4.ビジネスの息吹が実感でき、仕事に対するモチベーションが高まる。
5.経営現象を深く読み取る力が身につく。
6.ビジネスに関する専門知識、情報だけではなく、幅広い教養が身につく。
7.「グローバル化」を考える上で、既存の経営学が忘れがちな「文化的差異」も学べる。
8. 経営戦略の観点から、新聞や雑誌の記事を読むことができるようになれる。
9. 議論する力が高まる。
10. 多くの著名経営者と接してきた担当教員と接することで、「人とは何か」、「企業とは何か」といった深い思考ができるようになる。さらに、リーダー候補となるために不可欠な、企業家精神も修得できる。

【授業計画】

1.教員と学生のニーズの擦り合わせ。必要に応じてテキスト、参考書を紹介する。

2.修士論文に関するオリエンテーション。

3. 経営学的思考とは何か。“Deep Insight”の方法論。

4.修士論文のテーマ設定1.どのようなテーマを扱うか議論する。

5.修士論文のテーマ設定2。前回の議論を踏まえて検討。

6.リサーチ・クセスチョンとは何か。仮説を設定、検証する。

7.論拠を明確にする。イメージではなく論理で考える癖をつける。
  
8.情報取集の技法1.どのような資料、文献を集めるか。
  
9.情報取集の技法2.どのようにして調査、インタビューを行うか。

10.ネット情報、ビジネス・ジャーナリズムとの付き合い方。

11.結論への導き方。

12. 仮目次を考える。

13.仮目次をブラッシュアップする。

14.論文を書いてみる。

15.論文を検討。

※教科書、参考書については、初回に学生と議論したのち、ニーズに応じて数冊指示する。

(事前学修と事後学修=各回とも同じ。)
・事前学修:
各回で扱う章を事前に読んでおくこと。講義はその章を読んでいるものとして進める。
「日本経済新聞」や主要ビジネス誌を毎日読み、経営に関する情報量を増やす。

・事後学修:
ビジネスの現実と経営学の理論の両視座から、その講義で学んだ内容をまとめ、データとして保存しておくこと。事後学修とは、毎日こつこつと積み重ねることを意味する。

【予習・復習】

予習・復習
予習:1時間 テキストを熟読しておくこと。方法は初回講義で説明する。
復習:2時間 毎回、修士論文執筆に向けて一歩一歩近づくよう、研究ノートを作成。

【授業関連科目】

経営学関連科目はすべて関係するが、「経営戦略論特論」は必修科目。

【成績評価方法・注意】

「言葉」「思考」を重視した講義であるため、講義中での発言をもっとも重視。指示した課題(レポート、修士論文計画書など)において、その内容、表現、発言、思考については、講義内でその都度丁寧にコメントする。レポートは提出後に、適宜改善点を指導したい。

【教科書】

著者:ダン レメニイ 書名:社会科学系大学院生のための研究の進め方―修士・博士論文を書くまえに 出版社:同文館出版

【参考書】

適宜指示する