【授業の目的】

考古学の基礎を学ぶことにより、現代社会に生きる我々自身の生活文化がどうあるべきかを考えさせる。学芸員課程の選択必修科目ならびに全学共通の一般知識科目として、学芸員課程履修生にとっては本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献し、他の学生にとっては「幅広い学習機会の提供」ともなる。

【到達目標】

上記の授業目標を周知し、次のことができるようになること。

１．考古学の目的と発達の歴史を理解し、説明できる。
２．考古学資料の分類単位である型式の概念を理解し、説明できる。
３．型式の分析から時代・文化・機能・人間集団を導き出す方法を理解し、説明できる。
４．資料を採集するための調査方法を理解し、それぞれの段階に沿って説明できる。
５．考古学研究に関連する諸科学について、その概要を理解し、関連性について説明できる。
６．遺跡の保存・活用の意義と方法、博物館の役割について述べることができる。

【授業計画】

この講義では、教科書の補助として毎回資料を配布する。
オンライン対応時には、「講義掲示板」で課題を入れた資料を配布するので、課題を調べてレポートを作成し、「講義掲示板」で提出すること。

１．考古学への招待　
　　事前学修：考古学の定義について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
　
２．考古学の目的とテーマ　―残された物的証拠から人類の歴史を復元する―
　　　教科書：第１章１　考古学の目的
　　事前学修：考古学と文献史学の違いについて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

３．考古学発達史（１）―ヨーロッパ―
　　　教科書：第１章２　考古学の発達
　　事前学修：トムゼンの三時代区分法について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

４．考古学発達史（２）―ヨーロッパと日本の比較―　
　　　教科書：第１章２　考古学の発達
　　事前学修：主題考古学について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

５．考古学資料とは何か　―遺跡・遺物―
　　　教科書：第２章１　考古学資料の特性
　　事前学修：遺跡・遺構・遺物の関係について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

６．考古学資料と型式　―「モノ」に歴史的事実を語らせるための第一歩―
　　　教科書：第２章２　型式とは何か
　　事前学修：属性と型式の関係について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

７．型式から時代を判定する　―時間の流れに沿って変化する型式―
　　　教科書：第２章３　型式と時間
　　事前学修：相対年代と絶対年代の関係について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

８．型式からそれを作り使用した人間集団・文化を探る　―型式の分布と組み合わせ―
　　　教科書：第２章４　型式と文化
　　事前学修：型式の分布圏について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

９．型式の用途・社会的機能を考える　―機能を推定する方法―
　　　教科書：第２章５　型式と機能
　　事前学修：考古資料の使用痕について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

10. 考古学的歴史の復元　―　編年・分布・文化―
　　　教科書：第２章６ 考古学的歴史の復元
　　事前学修：考古学資料の編年について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

11. 考古学の調査（１）　―調査の種類と方法―
　　　教科書：第３章１ 調査計画と調査の種類
　　事前学修：分布調査と発掘調査の関係について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

12. 考古学の調査（２）　―発掘調査―
　　　教科書：第３章２ 発掘
　　事前学修：発掘調査の方法について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

13. 考古学の調査（３）　―発掘資料の整理と分析―
　　　教科書：第３章３ 発掘資料の整理と分析
　　事前学修：出土資料の整理方法について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

14. 考古学と関連分野　―形質人類学・民族（俗）学・自然科学―
　　　教科書：第４章 考古学と関連分野
　　事前学修：形質人類学について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
　　
15. 考古学と現代社会　―開発と遺跡の破壊　遺跡の保存と活用の意義―
　　　教科書：第５章 考古学と現代社会
　　事前学修：文化財保護法における埋蔵文化財について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

【予習・復習】

予習時間：２時間程度　
　予習の目標値（内容）：授業計画の事前学修の各項目について調べておく。
復習時間：２時間程度
　復習の目標値（内容）：配付資料・ノートで講義内容を照合し、再確認する。

【授業関連科目】

考古学II

【成績評価方法・注意】

小テストと授業態度で評価

　定期試験に代えて、上記の到達目標にどの程度達したかを３回の小テストで評価する。小テストは授業の進捗に合わせて行い、次回の授業の中で解答及び講評を行う。
毎回、セキュリティシートで出席登録を行うので、スマホを持参すること。

【教科書】

著者：鈴木公雄　書名：『考古学入門』　出版社：東京大学出版

【参考書】

著者：小林達雄編　書名：『考古学ハンドブックス』　出版社：新書館