【授業の目的】

学芸員課程の必修科目ならびに全学共通の一般知識科目として、学芸員課程の履修学生にとっては本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献し、他の学生にとっては「幅広い学習機会の提供」ともなる。

【到達目標】

博物館における教育活動の基盤となる理論や実践に関する知識と方法を習得し、博物館の教育機能に関する基礎的能力を養うことによって、次のことができるようになること。

１．生涯学習社会の中で、博物館諸機能が果たす教育的役割を理解し、説明することができる。
２．地域住民（市民）との関係を踏まえた教育活動を構想できる。
３．博物館資料と調査研究成果を活用した教育活動を構想し、計画できる。
４．学校教育の方針・実情を理解し、博物館教育との連携を構想できる。

【授業計画】

この講義では、教科書の補助として毎回資料を配布する。
オンライン対応時には、「講義掲示板」で課題を入れた資料を配布するので、課題を調べてレポートを作成し、「講義掲示板」で提出すること。

１．博物館教育史　―近代の博物館の教育的役割―
　　　教科書：第７章（以下略）第１節第１項
　　事前学修：博物館における教育普及活動について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

２．博物館教育の実態と方向性　―実践的教育の導入―
　　　教科書：第１節第２項
　　事前学修：PISA（生徒の学力到達度調査）について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

３．学芸員の教育的役割　―利用者の把握と支援―
　　　教科書：第１節第３項
　　事前学修：博物館エデュケーターについて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

４．博物館ボランティアの養成と活用　―博物館サービスの提供―
　　　教科書：第１節第４項
　　事前学修：「国立民族学博物館」ついて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること　

５．博物館における学びの意義と目的　―　学校教育と生涯学習　―
　　　教科書：第２節第１項
　事前学修：博物館における学習支援活動について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

６．生涯学習の場としての博物館　―生涯学習施設としての博物館の位置付け―
　　　教科書：第２節第２項
　　事前学修：生涯学習の定義について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること　　

７．博物館教育活動の方法（１）―展示・解説）―
　　　教科書：第３節第１項
　　事前学修：「大阪くらしの今昔館」について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

８．博物館教育活動の方法（２）―ワークショップ―
　　　教科書：第３節第２項
　　事前学修：博物館におけるワークショップについて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

９．博物館教育活動の方法（３）―ハンズ・オン―
　　　教科書：第３節第３項
　　事前学修：ハンズ・オンの定義について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

10. 博物館教育活動の方法（４）―アウトリーチ活動―
　　　教科書：第３節第４項
　　事前学修：地域回想法について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
　
11. 博物館教育の実際（１）―子ども目線で展示を考える―
　　　教科書：第４節第１項
　　事前学修：チルドレンズ・ミュージアムについて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

12. 博物館教育の実際（２）―各種館園における展示の具体的活動（１）―
　　　教科書：第４節第２項（１）・（２）・（３）
　　事前学修：「池田動物園」について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

13. 博物館教育の実際（３）―各種館園における展示の具体的活動（２）・子どものための展覧会―
　　　教科書：第４節第２項（４）・第３項
　　事前学修：ミュージアム・スタート・キャンペーンについて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

14. 教育目標と計画、評価　―学校教育と博物館教育の連携―
　　　教科書：第５節第１〜３項
　　事前学修：小学校学習指導要領解説について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
　
15. 博物館の課題と展望　―問題の所在と未来への展望―
　　　教科書：第６節
　　事前学修：「大原美術館」のチルドレンズ・アート・ミュージアム事業ついて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

【予習・復習】

予習時間：２時間程度　
　予習の目標値（内容）：授業計画の事前学修の各項目について調べておく。
復習時間：２時間程度
　復習の目標値（内容）：教科書の記述・配付資料・ノートで講義内容を照合し、再確認する。

【授業関連科目】

生涯学習概論、博物館概論、博物館経営論、博物館資料論、博物館資料保存論、博物館展示論、博物館情報・メディア論、博物館実習

【成績評価方法・注意】

小テストと授業態度で評価

　定期試験に代えて、上記の到達目標にどの程度達したかを３回の小テストで評価する。小テストは授業の進捗に合わせて行い、次回の授業の中で解答及び講評を行う。
毎回、セキュリティシートで出席登録を行うので、スマホを持参すること。

【教科書】

著者：全国大学博物館学講座協議会西日本部会編集　書名：『新時代の博物館学』　出版社：芙蓉書房出版

【参考書】

適宜指示する