【授業の目的】

学芸員課程の必修専門科目ならびに全学共通の一般知識科目として、学芸員課程の履修学生にとっては本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献し、他の学生にとっては「幅広い学習機会の提供」ともなる。

【到達目標】

学芸員課程の学生にあっては、博物館における展示の意義・特質・理論・機能・社会性等を理解させ、また一般知識科目の学生にあっては、職業人（専門家）としての展示に関する基礎的実務の習得を図るために、次のことができるようにすること。

１．展示が博物館教育の重要な活動であり、調査研究の成果が展示に反映することが理解できる。
２．展示に必要な基礎知識・基礎技術（基礎的実務）を身につける。
３．展示企画・製作能力（解説に必要な文章力等）を身につける。
４．展示に関わるユニバーサルデザインの必要性が理解できる。
５．展示関係者（内部組織・他館・展示資料所蔵者・専門業者等）との協力関係の構築を図ることの重要性が理解できる。

【授業計画】

この講義では、教科書の補助として毎回資料を配布する。
オンライン対応時には、「講義掲示板」で課題を入れた資料を配布するので、課題を調べてレポートを作成し、「講義掲示板」で提出すること。

１．博物館展示の目指すもの　―展示の目的・展示とは何か―　
教科書：第５章博物館展示論（以下略）第１節第１項
事前学修：博物館における常設展と企画展の違いについて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

２．展示の歴史　―博物館史と現代的課題―
　　　教科書：第１節第２項・第１章博物館学概論第２節
　　事前学修：近代における博覧会について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

３．展示収集機能　―展示資料の調査と収集―
　　　教科書：第２節第１項
　　事前学修：展示における資料の調査方法について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

４．博物館展示の実務（１）　―展示構想と企画―
　　　教科書：第２節第２項
　　事前学修：博物館における展覧会の形態について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

５．博物館展示の実務（２）　―展示の企画―
　　　参考書：第３章第３節
　　事前学修：博物館における特別展について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

６．博物館展示の実務（３）　―展示企画書の作成―
　　事前学修：自身がやってみたい特別展示の企画を考えておく。
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

７．博物館展示の実務（４）　―展示広報（ポスター・チラシ）、解説書（展示図録）の作製―
　　　教科書：第３節第４項　　
　　事前学修：博物館・美術館のチラシを参考に、内容について考えておく。
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

８．博物館展示の実務（５）　―展示解説文・解説パネルの作製―
　　　教科書：第３節第５項　　
　　事前学修：博物館・美術館の解説図録を参考に、内容について考えておく。
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

９．博物館展示の実務（６）　―展示の設計・施行、展示と法令―
　　　教科書：第３節第３・４項
　　事前学修：展示室における観覧者の見学動線について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

10. 博物館展示の環境と設備及び展示作業
　　　教科書：第３節第１・２項
　　事前学修：展示室の温湿度環境について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

11. 博物館展示の照明と音響
　　　教科書：第３節第３項
　　事前学修：展示室の照明の種類、方法について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

12. 博物館における人文系の展示
　　　教科書：第４節第１項
　　事前学修：人文系博物館の種類、特徴ついて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
　　
13. 博物館における自然系の展示
　　　教科書：第４節第２項
　　事前学修：「北九州市立自然史・歴史博物館」ついて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

14. 展示のあり方（１）―展示の社会性と中立性―
　　　教科書：第５節第１項
　　事前学修：博物館展示の中立性ついて調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること

15. 展示のあり方（２）―展示の評価―
　　　教科修書：第５節第２項
　　事前学：博物館における展示の評価方法について調べておくこと
　　事後学修：配布資料を見直し、内容を確認して理解を深めること
　

【予習・復習】

予習時間：２時間程度　
　予習の目標値（内容）：授業計画の事前学修の各項目について調べておく。
復習時間：２時間程度
　復習の目標値（内容）：教科書の記述・配付資料・ノートで講義内容を照合し、再確認する。

【授業関連科目】

生涯学習概論　　博物館概論　　博物館経営論　　博物館資料論　　博物館資料保存論
博物館情報・メディア論　　博物館教育論　　博物館実習

【成績評価方法・注意】

課題レポートと小テストの両方で評価

　定期試験に代えて、上記の到達目標にどの程度達したかを、課題レポート（展示企画書・チラシ作成等）及び、2回の小テストを総合して評価する。課題レポートは授業時にコメント等をつけて各自に返却し、講評を行う。小テストは授業の進捗に合わせて行い、次回の授業の中で解答及び講評を行う。課題レポートと小テストの配点は４：６とする。
毎回、セキュリティシートで出席登録を行うので、スマホを持参すること。

【教科書】

著者：全国大学博物館学講座協議会西日本部会編　書名：『新時代の博物館学』　　出版社：芙蓉書房出版

【参考書】

著者：全国大学博物館学講座協議会西日本部会編　書名：『博物館実習マニュアル』　出版社：芙蓉書房出版