【授業の目的】

本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献すること。民法（財産法）の入門講義として、民法（財産法）の全体像をおおまかに講義する。

【到達目標】

受講生が受講後に次のようなことができるようになること。
１．契約の締結、履行の流れをおおまかに理解し、また契約が履行されなかった場合の法的処理についてもおおまかに理解できている。
２．未成年者のような判断能力が不十分な者の契約締結についての法的規制について例をあげて説明できる。
３．代理人による契約締結について例をあげて説明できる。
４．不動産登記制度について例をあげて説明できる。
５．保証、抵当権について例をあげて説明できる。
６．過失責任の原則をはじめとする一般的不法行為の要件について例をあげて説明できる。

【授業計画】

１．オリエンテーション、契約はなぜ守らなければならないか。
　事前学習：契約にはどのようなものがあるか、考える。
　事後学習；小テストの見直し。契約の拘束力について考える。
２．民事と刑事、法規定の構造
　事前学習：法律にはどのようなものがあるか、考える。
　事後学習；小テストの見直し。民事法と刑事法の違いについて考える。
３．事故の場合の損害賠償（不法行為）
　事前学習：損害賠償について考える。
　事後学習：小テストの見直し。不法行為の要件について考える。
４．売買契約とはどのようなものか
　事前学習：売買とはどのようなものか考える。
　事後学習；小テストの見直し。売買について考える。
５．財産権（売買の客体）
　事前学習：売買の対象となるものについて考える。
　事後学習；小テストの見直し。物権と債権の違いについて考える。
６．契約の締結
　事前学習：契約締結時のトラブルについて考える。
　事後学習；小テストの見直し。意思と表示の不一致について考える。
補講．六法の見方　法学科以外の学生はビデオを視聴してレポートを提出すること。
７．詐欺・強迫、消費者契約の規制
　事前学習：詐欺などの契約締結時のトラブルについて考える。
　事後学習：小テストの見直し。消費者契約について考える。
８．中間試験、民法上の人（自然人と法人）
　事前学習：会社とはどのようなものか考える。
　事後学習：中間試験の見直し。
９．代理人による契約の締結
　事前学習：別の人が本人の代わりに契約を締結するということについて考える。
　事後学習；小テストの見直し。表見代理について考える。
10．未成年者の保護
　事前学習：未成年者の保護について考える。
　事後学習；小テストの見直し。未成年者は具体的にどう保護されているのか考える。
11．契約から生じる義務、慣習・任意規定による補充
　事前学習：契約で取り決めていなかった問題について考える。
　事後学習；小テストの見直し。任意規定と強行規定について考える。
12．所有権の移転、不動産登記
　事前学習：不動産とはどのようなものか考える。
　事後学習：小テストの見直し。不動産登記制度について考える。
13．契約が履行されないとき
　事前学習；契約相手が自ら契約を履行しない場合について考える。
　事後学習：小テストの見直し。契約が履行されないときに取ることができる法的手段について考える。
14．金銭の貸借契約、金銭を支払う義務の履行
　事前学習；利息について考える。
　事後学習：小テストの見直し。利息に関する法規制について考える。
15．担保
　事前学習：担保とはどういうものか、考える。
　事後学習：小テストの見直し。担保について考える。
16．定期試験

＊六法は指定のものでなくても構わないが、改正民法が掲載されているものを用意すること。

【予習・復習】

予習１時間：各回の事前学習について、ネットなどで調べたり、自分で考えたりすること。一部、講義掲示板での課題提出を求める。
復習３時間：講義プリントを読み直して、小テストを見直すこと。各回の事後学習について、自分で考えること。

【授業関連科目】

契約法、不法行為法、物権総論、担保物権、債権総論、民法総則

【成績評価方法・注意】

試験は定期試験と中間試験（持ち込み不可）。中間試験については採点した答案を返却する。
講義の最後に小テストを行う。次の回に正解発表、解説を行う。
評価手段の「その他」は、予習課題である。解答例などを講義中で提示する。
注意
セキュリティーシートを配布するので、スマートフォンなどを利用して出席登録を行うこと。
この講義では録画ビデオを講義案内システムに掲載するので、欠席者は必ずそれを視聴した上で欠席者用紙を提出すること。

【教科書】

著者：　書名：ポケット六法　平成31年版　出版社：有斐閣

【参考書】

著者：池田真朗　書名：民法への招待　第５版　出版社：税務経理協会