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民俗学II 2単位 2014年度以後入学生
1年以上 経済 1年以上 経営 1年以上 1年以上
2013年度以前入学生
吉原 睦 後期1コマ 1年以上 経済 1年以上 経営 1年以上 1年以上
備考 民俗学Iを履修済み、または同時履修することが望ましい。
実務経験 内容 学芸員(民俗分野担当)
授業との関連 文化財行政調査や歴史民俗資料保存活用(展示)業務等の実務経験と、学術理論とを融合させた講義を実施する。
シラバス1

【授業の目的】

 学芸員課程に係る専門科目(選択必修科目)として、本学の教育目標である「社会的人材の育成」に貢献することを授業目標にする。学芸員資格の取得を受講目的としない学生の場合は、幅広く深い教養及び総合的な判断力を養う教養科目として、本学の教育目標である「幅広い学習機会の提供」に貢献することを目指す。

【到達目標】

 地域活性・町おこしとして様々な取り組みがなされる中で、各地の民俗・伝統文化がその素材として注目・利用されているが、民俗・伝統文化の意義が等閑視された「活用」も垣間見られる。そこで「民俗・伝統文化の適切な活用とは何か」をテーマとし、受講を終えた段階で次の事柄ができるようになることを到達目標とする。
1.都市化・旅・観光振興と民俗・民俗学との関係性を捉え、現状と課題を説明できる。
2.民俗や民具・民俗資料の価値基準を説明できる。
3.講義で学んだ民俗事象や視点を、各自の専門分野に引き寄せて題材化することができる。
4.各自の専門分野における民俗文化の適切な活用について論じることができる。

【授業計画】

※受講条件
 【授業の目的】と【授業方法】に明示した通り、本講義は幅広い学習「機会の提供」(教養科目として履修する場合)を「受動」型で行うものである。つまり、提供された機会を活かせるか否かは、他ならぬ学生諸君自身が自ら積極的に学習しようと努めるかどうかに大きく左右される。受講にあたっては、自ら主体的に学ぼうとする意識と努力を強く求めたい。

第1回:9月20日(金) 導入:「伝統文化」へのまなざし〜民俗学の視点・講義全体の概要・ねらいなどを説明する。
事前学修:「伝統文化」に該当しそうな事物を、自分自身の日常生活の中からいくつか探し出しておく。
事後学修:配付資料に基づく講義内容の再確認。

第2回:9月27日(金) 都市・都市化と民俗〜都市の民俗と、都市化がもたらす民俗の変容に注目する。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。
参考書:福田ほか(2009)pp.177-189。

第3回:10月4日(金) 旅・観光と民俗(1)〜巡り・巡礼習俗の歴史や様相を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。
参考書:吉原(2011)pp.96-98。

第4回:10月11日(金) 旅・観光と民俗(2)〜瑜伽大権現(倉敷市由加)参詣を題材に、旅の性質を考える。
事前学修:インターネットや地図等で、蓮台寺・由加神社(倉敷市由加)の立地環境と歴史を確認しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。

第5回:10月25日(金) 旅・観光と民俗(3)〜名物・名産品(草加煎餅など)を題材に、地域の個性を考える。
事前学修:自分の居住地域にどのような名産品や土産品があるのか、確認しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。

第6回:11月1日(金) 旅・観光と民俗(4)〜倉敷美観地区の観光地化を題材に、現代における旅の性質を考える。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。
参考書:吉原(2011)pp.46-54。

第7回:11月8日(金) 旅・観光と民俗(5)〜旅・観光振興と民俗との関係性を総合的に検討する。
事前学修:第3〜6回の講義で学んだ内容を、体系的に再整理しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。

第8回:11月15日(金) 民具・民俗資料(1)〜民具研究の歴史・視点を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。
参考書:新谷(2011)pp.101-112。

第9回:11月22日(金) 民具・民俗資料(2)〜岡山の民俗資料「花莚」のうち、錦莞莚を知る(前編)。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:インターネット等で「錦莞莚」を画像検索し、写真を熟覧して質感を把握する。
参考書:吉原(2008)pp.9-46,95-133。

第10回:11月29日(金) 民具・民俗資料(3)〜岡山の民俗資料「花莚」のうち、錦莞莚を知る(後編)。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:インターネット等で「錦莞莚」を画像検索し、写真を熟覧して質感を把握する(継続)。
参考書:吉原(2008)pp.71-94,134-146。

第11回:12月6日(金) 民具・民俗資料(4)〜岡山民俗館(岡山市)を題材に、民家保存の意義を考える。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。
参考書:岡山民俗学会ed.(2012)pp.7-28。

第12回:12月13日(金) 民具・民俗資料(番外編)〜民具と民芸品との相違について、理解を深める。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。
参考書:岡山民俗学会ed.(2012)pp.7-28。

第13回:12月20日(金) 民具・民俗資料(5)〜倉敷美観地区を題材に、民家群保存の意義を考える。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:。インターネットで倉敷美観地区の観光情報を入手し、講義学習内容との差異を文章化する。
参考書:吉原(2011)pp.127-153。

第14回:1月10日(金) 民具・民俗資料(6)〜民芸との比較を通じて、民具・民俗資料の価値基準を再確認する。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義内容と自己の生活文化とを比較し、地域の文化的特徴とその活用策の抽出に努める。
参考書:吉原(2011)pp.47-50,p.128,pp.137-139。

第15回:1月15日(水) 民具・民俗資料(7)、総括〜民俗資料館が抱える課題に注目し、適切な活用策を再考する。
事前学修:第8〜14回の講義で学んだ内容を、体系的に再整理しておく。
事後学修:全体を通じた学習内容を、シラバスの「到達目標」に即して総合的に再整理する。

第16回:1月24日(金) 定期試験

【予習・復習】

予習(1時間程度)参考書の該当箇所や前回講義資料を読み、前回講義との関連性(つながり)を把握すること。

復習(3時間程度)講義内容と各地域社会の現状とを比較し、課題に基づいて分析考察すること。

【授業関連科目】

民俗学I

【成績評価方法・注意】

(1)試験,小テスト〜毎回講義冒頭で前回の理解度と復習成果の記述式小テストを行う。期末試験では上記到達目標への達成度をはかる試験を記述式で行う。
(2)小テストの模範解答・着眼点評価・疑問点等を毎回授業内で回答し指導する。
(3)講義進行上の妨害となる受講態度(私語・代返・カンニング等)には厳正に対処(評価不能と)する。
※難易度上、民俗学Iを履修済みか同時履修が望ましい。

【教科書】

プリントを配布する

【参考書】

適宜指示する