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民俗学I 2単位 2014年度以後入学生
1年以上 経済 1年以上 経営 1年以上 1年以上
2013年度以前入学生
吉原 睦 後期1コマ 1年以上 経済 1年以上 経営 1年以上 1年以上
備考  
実務経験 内容 学芸員(民俗分野担当)
授業との関連 文化財行政調査や歴史民俗資料保存活用(展示)業務等の実務経験と、学術理論とを融合させた講義を実施する。
シラバス1

【授業の目的】

 学芸員課程に係る専門科目(選択必修科目)として、本学の教育目標である「社会的人材の育成」に貢献することを授業目標にする。学芸員資格の取得を受講目的としない学生の場合は、幅広く深い教養及び総合的な判断力を養う教養科目として、本学の教育目標である「幅広い学習機会の提供」に貢献することを目指す。

【到達目標】

 「真の『日本人の歴史・伝統文化』と出会う」をテーマとし、受講を終えた段階で次の事柄ができるようになることを到達目標とする。
1.自己の周辺に存在する伝統的な風俗習慣(民俗)に気づき、注視することができる。
2.多種多様な民俗に対して、見聞を広めるとともに関心を深めることができる。
3.様々な民俗に込められた昔の人の願いや希望を認識し、かつ、思いやることができる。
4.平凡でありふれた「民俗」というものが持つ、伝統文化としての重要性を説明することができる。

【授業計画】

※受講条件
 【授業の目的】と【授業方法】に明示した通り、本講義は幅広い学習「機会の提供」(教養科目として履修する場合)を「受動」型で行うものである。つまり、提供された機会を活かせるか否かは、他ならぬ学生諸君自身が自ら積極的に学習しようと努めるかどうかに大きく左右される。受講にあたっては、自ら主体的に学ぼうとする意識と努力を強く求めたい。

第1回:9月20日(金) 民俗学事始め〜民俗学とはどのような学問なのか、等を説明する。
事前学修:「民俗学」とは何を対象としたどのような学問なのか、を調べておく。
事後学修:配付資料に基づく講義内容の再確認。

第2回:9月27日(金) 昔話と伝説(1)〜岡山の代表的な昔話として知られる桃太郎譚に注目する。
事前学修:書籍やインターネットで「温羅伝説」のストーリーを調べ、内容を把握する。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:おかやま桃太郎研究会ed.(2005)pp.71-91(立石憲利),159-166(古川克行)。

第3回:10月4日(金) 昔話と伝説(2)〜桃太郎譚の歴史的変容と性格の多様性を知る(前編)。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:滑川(1981)pp.11-37。

第4回:10月11日(金) 昔話と伝説(3)〜桃太郎譚の歴史的変容と性格の多様性を知る(後編)。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:市川(2005)pp.27-29。おかやま桃太郎研究会ed.(2005)pp.119-135(加原奈穂子)。

第5回:10月25日(金) 村落社会の構造(1)〜土地制度・村落の歴史的変容を概観する。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:福田ほか(2009)pp.105-129。

第6回:11月1日(金) 村落社会の構造(2)〜倉敷美観地区界隈の成り立ちを知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:吉原(2011)pp.23-40。

第7回:11月8日(金) 一般教養としての民俗学〜民俗学を通じて、他分野の学問を学ぶ意義を再確認する。
事前学修:大学で一般教養を学ぶ意義を、改めて確認しておく。
事後学修:本講義を通じて民俗学を一般教養として学ぶ意義を再考察し、文章化する。

第8回:11月15日(金) 通過儀礼(1)〜産育儀礼・婚姻の型・婚礼・嫁と里方・年祝の概要や意義を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:福田ほか(2012)pp.190-201。

第9回:11月22日(金) 通過儀礼(2)〜喪の前後・葬送儀礼・年忌供養と祖霊化の概要や意義、死後の世界観を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:福田ほか(2012)pp.202-207。

第10回:11月29日(金) 年中行事(1)〜倉敷美観地区の事例等から、正月行事の概要やその意義を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:吉原(2011)pp.81-93。

第11回:12月6日(金) 年中行事(2)〜倉敷美観地区の事例等から、春・夏の年中行事の概要やその意義を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:吉原(2011)pp.94-116。

第12回:12月13日(金) 年中行事(3)〜倉敷美観地区の事例等から、盆・秋以降の年中行事の概要やその意義を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:自分の日常生活の中から講義学習内容と関連する民俗を見出し、その内容を整理する。
参考書:吉原(2011)pp.116-125。

第13回:12月20日(金) 年中行事(4)〜年中行事のビデオ視聴を通じ、人々の年中行事に対する認識や感情にせまる。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:視聴したビデオの主旨・内容をノート等に文章としてまとめる。
参考書:吉原(2011)pp.81-125。

第14回:1月10日(金) 日常・非日常の概念〜ハレ・ケ・ケガレの概念を知り、民俗の持つ価値を認識する。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:講義で学習した諸概念を再確認し、自分の言葉で包括的に説明できるよう整理(文章化)する。
参考書:福田ほか(2009)pp.228-236。

第15回:1月15日(水) 生業と儀礼・信仰〜稲作・畑作と年中行事との相関関係を知る。
事前学修:下記参考書の該当頁を熟読し、内容を把握しておく。
事後学修:全体を通じた学習内容を、シラバスの「到達目標」に即して体系的に再整理する。
参考書:福田ほか(2012)pp.2-11,248-251。

第16回:1月24日(金) 定期試験

【予習・復習】

予習(1時間程度)参考書の該当箇所や前回講義資料を読み、前回講義との関連性(つながり)を把握すること。

復習(3時間程度)講義内容と自己の日常生活とを比較し、課題に基づいて情報収集をすること。

【授業関連科目】

民俗学II

【成績評価方法・注意】

(1)試験,小テスト〜毎回の講義冒頭で、前回講義内容の理解度と復習の成果を確認するための小テスト(記述式)を実施する。期末試験では、上記到達目標への達成度をはかるために記述式問題でテストをする。
(2)小テストの模範解答及び着眼点の良し悪し・疑問点等を、毎回の授業内で回答し指導する。
(3)講義進行上の妨害となる受講態度(私語・代返・カンニング等)には厳正に対処(評価不能と)する。

【教科書】

プリントを配布する

【参考書】

適宜指示する