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法哲学I 2単位 2014年度以後入学生
2年以上 経済   経営    
2013年度以前入学生
青井 秀夫 前期1コマ 2年以上 経済   経営    
備考  
シラバス1

【授業の目的】

テーマ: 「現代国家の制定法、慣習法、裁判官法や権利はいかなる性質を有しており、法秩序のなかでどのような相互関係に立つか、制定法の効力とはいかなるものであるか」
 法秩序の基本的な構成要素である制定法、慣習法、裁判官法、権利を取り上げ、それらの性質および相互関係に関する基本的な学説の対立を把握するとともに、妥当な見解を習得する。

【到達目標】

実生活において具体的な法的紛争に巻き込まれたときは、民法、刑法、訴訟法などの個別実定法を解釈したり、事実認定のあり方を検討する作業が不可欠となる。しかし、そうした解釈や法適用の作業は、制定法や慣習法、判例法、権利などが織りなす法秩序の基本構造について的確な基礎理解を有していることを不可欠の前提としている。そうした基礎理解を踏まえない解釈理論であれば、一時しのぎの屁理屈に成り下がる可能性があり、そのままでは、事案の妥当な解決は望めない。
リーガルマインドの骨格となる基礎知識を獲得するためには、法の内外に視野を広げて、法なき空間の問題、法と道徳、法と権力といったより広い問題を見渡し、法の隣接領域と法それ自体とが微妙に交錯する有り様を視野に収めることが、非常に有益である。こうした幅と厚みのある考察を通して、法の賢慮に磨きをかけるための基本視角を身につけてもらいたいというのが、講義の狙いである。

【授業計画】

1. 第1章 法哲学はいかなる学問か
2. 第2章 法と法なき空間
3. 第3章 法の有限界説と法の無限界説
4. 第4章 国家内在的法観と国家超越的法観
5. 第5章 制定法の法的性質 ― その1
6. 第6章 制定法の法的性質 ― その2
7. 第7章 制定法の効力 ― その1
8. 第8章 制定法の効力 ― その2
9. 第9章 慣習法 ― その1
10. 第10章 慣習法 ― その2
11. 第11章 裁判官法 ― その1
12. 第12章 裁判官法 ― その2
13. 第13章 権利 ― その1
14. 第14章 権利 ― その2
15. 第15章 法とは何か ― 総括と展望

 
(教科書についての注意) 指定する教科書は出版社の在庫がゼロの状態ですが、出版社の好意により、この講義の聴講者に限定して購入することができるようになりました。購入希望者は、必ず教科書販売の期間中に申込み、丸善書店から購入してください。教科書販売の期間を過ぎた後は、入手することが不可能になるのでご注意ください。これに関する掲示板も併せて参照されたい。

【予習・復習】

受講にあたっては、毎回予習2時間、復習2時間程度学習するよう、努力してください。

【授業関連科目】

憲法、行政法、民法、刑法、訴訟法などの実定法科目全般、法思想史、法社会学

【成績評価方法・注意】

普段の学習状況、確認テスト、最終の筆記試験の成績などを総合的に評価する。
とりわけ出席を重視する(3回以上無断欠席の場合、単位不可の方針)。

【教科書】

【参考書】

適宜指示する