【授業の目的】

授業の位置付け：DP1 専門知識, DP3 思考力
　法学部の専門科目として、本学の教育目標である「専門技術の振興」に貢献することを授業目標とする。

【到達目標】

　授業終了後に、ローマ法における以下のテーマに関して、法制度の展開の歴史を正しく、そして具体的に説明することができるようになることが到達目標である。
　(1)所有権の取得、移転に関わる法制度（所有権訴訟、握取行為、使用取得）
　(2)「家」の構成員、財産に関わる法制度（家長権、婚姻、相続）
　(3)不法行為責任（復讐、贖罪金、損害賠償）
　(4)民事訴訟手続（法律訴訟、方式書訴訟）

【授業計画】

(1)授業の位置付け：CP1 専門知識, CP3 思考力
(2)授業形態：講義
(3)授業方法：受動型
授業は、教科書を用いて、下記の内容で行う。
　1. 「ローマ法の歴史」についてその始まりから終わりまでを概観する（当日プリントを配布）。
　2. 十二表法編纂以前の国家制度と法、そして殺人に関する規定を説明する（教科書第1章１「王政期の国制と市民法」、2「古拙な刑事立法の痕跡」）。
　3. 所有権に基づく返還請求のための訴訟手続を説明する（教科書第1章3「最古の所有権訴訟）。
　4. 重要な財産の所有権を移転するための法制度について説明する（第1章4「握取行為による儀式的な所有権移転」）。
　5. 最古の債権契約について説明する（第1章7「問答契約と拘束行為による債務の設定」）。
　6．家族法、相続法について説明する（第1章8「家長権」から10「初期の相続法と自権者養子縁組」）。
　7．ここからは十二表法の規定を説明する。まずは同法典の編纂過程について説明する（第2章1「共和政期の国制）、2「十二表法の成立」）。
　8．取得時効制度の詳細について説明する（第2章3「握取行為の改革」）。
　9. 新たに規定された家族法、相続法について説明する（第2章4「親族法の改革」、5「相続法の改革」）。
　10．不法行為責任の原点である復讐、同害報復、贖罪金について説明する（第2章6「不法行為の法律効果」）。
　11．ここからは共和政末の法制度について概観する。最初に訴訟手続の改革を説明する（第3章2「十二表法の訴訟から方式書訴訟へ」）。
　12．テーマ(1)所有権の取得、移転に関わる法制度の展開についてこれまでの説明をまとめる。受講者は論点整理が正しかどうかを各自のノートをもとに、質問、確認すること。
　13．テーマ(2)「家」の構成員、財産に関わる法制度の展開についてこれまでの説明をまとめる。受講者は論点整理が正しかどうかを各自のノートをもとに、質問、確認すること。
　14．テーマ(3)不法行為責任の展開についてこれまでの説明をまとめる。受講者は論点整理が正しかどうかを各自のノートをもとに、質問、確認すること。
　15．テーマ(4)民事訴訟手続の展開についてこれまでの説明をまとめる。受講者は論点整理が正しかどうかを各自のノートをもとに、質問、確認すること。
　16. 定期試験

【予習・復習】

予習１時間（教科書の該当箇所をよく読み、理解できたところ、できなかったところを確認しておくこと）
復習２時間（講義内容と教科書をもとにしてその論点を整理したノートを作成すること）

【授業関連科目】

　特になし。

【成績評価方法・注意】

　成績評価方法：定期試験（論述形式）100％
　到達目標に記載した四つのテーマについて正しく理解し、具体的に説明することができるかどうかにより評価する。評価は論述形式の定期試験により行う。なお、試験終了後に模範解答を配布する。

【教科書】

著者：ウルリッヒ・マンテ著／田中・瀧澤訳　書名：ローマ法の歴史　出版社：ミネルヴァ書房

【参考書】

参考書を使用しない