印刷する
基礎演習 4単位 2014年度以後入学生
2年以上 経済   経営    
2013年度以前入学生
粟屋 剛 通年1コマ 2年以上 経済   経営    
備考  
シラバス1

【授業の目的】

多岐に渡る生命倫理関連事件等のうちのとくに基本的なものを理解させる。本演習は学生の思考力・判断力・表現力等を培うことを目標としている。

【到達目標】

生命倫理問題を素材として「ものの考え方」を身につけさせる。本演習を通して、目からたくさんの鱗(うろこ)が落ちることを期待する。

【授業計画】

〔前期〕
1.オリエンテーションとデモンストレーション―生命倫理と法―
2. 人類の蛮行と人間の尊厳―戦争・テロ・飢餓・貧困―
3.ナチス人体実験
4.731部隊人体実験
5. 九州大学生体解剖事件
6.死生論―命は誰のものか―
7. 命の選別なのか―出生前診断と着床前診断―
8. 代理母―祖母が孫を産む―
9. 死後生殖と死後認知
10.末期がん患者の人工呼吸器を外すことは犯罪か
11.高齢認知症患者の胃ろうをどう考えるか
12.クローン人間を造ってよいか
13.説明義務とインフォームド・コンセント ―「粒子線治療」を素材として―
14. 過剰医療と手術誘引
15. ディオバン事件と小保方(STAP細胞)事件

〔後期〕
1.顔の移植と頭の移植を考える
2.がんの腎臓を移植してよいか
3.中国死刑囚移植の現実・法・倫理
4.腎臓を売って生活する人々―臓器売買はなぜいけないのか―
5.臓器売買罪の保護法益は何か
6.渡航移植患者の人権―帰国後診療拒否の事例を中心に―
7.腎臓泥棒―臓器の所有権―
8. 精子・卵子・受精卵は誰のものか
9. 死体の所有権―解剖死体は誰のものか:病理解剖標本返還請求事件―
10.資源・商品としての人体
11.脳死は本当に人の死か―人の死とムカデの死―
12.死の自己決定権
13.ロボットと人間の近未来―欲望の中のヒューマノイド―
14. テクノロジーによる人間改造
15. 優生思想をめぐる法と倫理
  

【予習・復習】

全員が事前に下調べをする。報告担当者(及びその補助者)はスライドないしレジュメを作成し、
ゼミでの討論を踏まえて、報告書を作成する。予習に2時間、復習に1時間をかけることが望ましい。

【授業関連科目】

医療と法(粟屋)、法学特殊講義(粟屋)、刑法、民法、憲法

【成績評価方法・注意】

試験なし。上記報告書及び受講態度等から総合的に評価する。
遅刻、早退、私語、スマホ等禁止。

【教科書】

著者:粟屋剛ほか 書名:生命倫理学/医療と法 講義スライドノート 出版社:ふくろう出版

【参考書】

適宜指示する
著者:粟屋剛ほか 書名:シリーズ生命倫理学 全20巻 出版社:丸善