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税務会計論II 2単位 2014年度以後入学生
  経済   経営 3年以上 3年以上
2013年度以前入学生
内田 浩徳 後期1コマ   経済   経営 3年以上 3年以上
備考  
シラバス1

【授業の目的】

授業の位置付け(対応するディプロマポリシー):DP1専門知識,DP3思考力,DP4判断力

 経営学部経営学科にかかる専門科目(選択必修科目)として,本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献することが授業目標です。他学科の学生にとっては,「幅広い学習機会」にもなります。

【到達目標】

受講生が受講後に以下のようなことができるようになることを到達目標としています。

目標1:同族会社の税務処理ができるようになること。
目標2:役員給与・寄附金・交際費・引当金・租税公課に関する基本的な税務処理ができるようになること。
目標3:簡単な法人税申告書が作成できるようになること。
目標4:税効果会計導入の意義について説明できるようになること。

【授業計画】

1.授業の位置付け(対応するカリキュラムポリシー):CP1専門知識,CP3思考力,CP4判断力
2.授業形態:講義
3.授業の方法:受動型

<この講義のねらい>
 「あなたは税金を払っていますか?」この問いに対してすべの人が「はい」と答えることでしょう。
 では,「どのような税金を払ってますか?」という質問に対してはいかがでしょうか。恐らく皆様は消費税や所得税などの税目を回答すると思います。
 当然ながら税目はそれだけではありません。たとえば,その場所に住んでいるとかかる税金や自動車の所有にかかる税金など,諸君らの周りには数え切れないほどの税金が存在します。本講義では,多数存在する税金の中から「企業の儲け」にかかる税金の1つである「法人税法」を中心に会計的観点から検討します。
 我が国の企業の儲けにかかる税金(法人税額)の計算は,株主総会等で確定した決算にもとづいて行われます。この大まかな計算プロセスは1.財務会計上の利益数値に対してある一定の調整を加え,2.課税所得を計算し,3.そこに税率を乗じた後,4.税額控除等の修正を行う,というものです。
 本講義では,上記の授業目標及び到達目標を達成するために,この計算プロセスの基本的内容の一部を逐次解説すると共に財務会計と税務会計の処理の差異を調整するために導入された税効果会計についても講義します。

<講義内容>
 後期では課税所得計算の一部,別表の作成及び税効果会計を中心に講義します。その大まかな講義タイトルとその主題は下記の通りになっています。ただし,この講義スケジュールは状況によって変更する恐れがあります。

1 講義をはじめるにあたって・・税務会計の全体像を把握しよう(前期の復習)
2 同族会社の範囲と税務処理・・同族会社とはどのような会社?
3 役員給与の税務処理・・どのような人が税務上の役員になりえ,その取扱いは?
4 寄附金の税務処理・・寄付金はどの程度まで認められている?
5 交際費の税務処理・・税務上の交際費に含まれるものにはどのようなものがある?
6 引当金の税務処理・・税務上,認められる引当金にはどのようなものがある?
7 貸倒損失の税務処理・・企業に貸倒が生じたとき,すべて損金として認められる?
8 租税公課の税務処理・・企業が支払った税金のうち損金として認められるものはある?
9 法人税法上の税率・・企業の課税所得にかかる税率はどの程度?
10 納税申告書の作成・・別表一および別表四を作成してみよう!
11 法人税法における公正及び決定・・公正と決定の違いは?
12 税効果会計(1)・・税効果会計導入の意義とはなにか?
13 税効果会計(2)・・我が国における税効果会計の特徴はどのようなものだろうか?
14 税効果会計(3)・・最近の税効果会計の国際的動向を知ろう!
15 後期まとめ・・後期まとめ
 定期試験

【予習・復習】

・予習の時間:1回目〜15回目:1時間程度
1回〜8回:当該講義時間に係る簿記上の処理を再度確認すること。
1回〜11回:参考書:渡辺淑夫(2016)§7〜8・§13〜34・§42〜48の関連する箇所又は国税庁『税務大学校講本 法人税法』(国税庁HPよりダウンロード可能)の関連箇所など,確定決算や申告に関連する著書などを読んでおくこと。
12回〜14回:税効果会計に関連する著書や論文を一読しておくこと。
15回:これまで学習した税務会計論2で理解が不足している点を確認しておくこと。

・復習の時間:2時間程度
1回〜15回:配布したレジメを再度読み,参考書などでその理解を深めること。

【授業関連科目】

会計学・簿記論・財務諸表論など会計に関連する科目及び法人税法・税法1〜4など税法に関連する科目。

科目の性格上,簿記論1及び簿記論2の単位を取得していることが望ましい。

【成績評価方法・注意】

<成績評価方法>
小課題・小テスト・定期試験

<詳しい配点>
講義中の小課題(30%)
小テスト及び期末試験の平均点(70%)

上記の到達目標をどの程度達成したのかについて,記述式問題と計算式問題でテストします。
試験終了後,掲示等にて講評を行います。

<注意>
原則として,5つのパケットに分けてレジメを配布します。
練習問題については各パケットの中に含めていない点に留意して下さい。

【教科書】

プリントを配布する

【参考書】

著者:全国経理教育協会編 書名:演習法人税法 出版社:清文社
著者:渡辺淑夫 書名:法人税法 出版社:中央経済社