【授業の目的】

税法特殊講義II（租税実体法）の学習の後、さらに租税実体法の学習の深化を図る。

【到達目標】

所得税・法人税・相続税・不動産取得税および固定資産税の課税標準を学習する。

【授業計画】

第1回　所得課税（所得税の課税要件）
第2回　所得課税（所得税額の計算の順序）
第3回　所得課税（法人税の課税要件）
第4回　所得課税（相続税の課税要件）
第5回　不動産課税（不動産取得税）：不動産取得税と相続税の関係
第6回　不動産課税（固定資産税）：固定資産税の課税要件
第7回　消費税の課税要件
第8回　課税標準（所得税）＝収入金額
第9回　課税標準（所得税）＝必要経費
第10回　課税標準（法人税）＝所得金額の計算
第11回　課税標準（相続税）＝時価の意義
第12回　課税標準（相続税）＝財産評価基準通達
第13回　課税標準（事業税）＝法人税の関係
第14回　課税標準（不動産取得税）＝地方税法73条の13
第15回　課税標準（固定資産税）＝「適正は時価」と固定資産評価基準

第1回　序説　課税要件法定主義
　　　（1）
　　　（2）課税要件法定主義（納税義務＝法定債務）　
第2回　1.（1）納付すべき法定債務（税額）の確定方式
　　　　　　1　申告納税方式　
　　　　　　2　賦課課税方式
　　　　　　3　源泉徴収方式
　　　　　（2）課税標準認定の主体
　　　　　　1　納税義務者
　　　　　　2　課税庁
　　　　　　3　支払者
第3回　2.（1）税理士法第1条（税理士の使命）
　　　　　　1　税務の専門家
　　　　　　2　申告納税制度の理念
　　　　　　3　納税義務者の信頼
　　　　　　4　納税義務の適正な実現
　　　　　（2）税理士法第2条（税理士の義務）
　　　　　　1　税務代理
　　　　　　　・課税標準等の申告
　　　　　　　・更正処分等課税処分に対する不服申立て
　　　　　　2　税務書類の作成
　　　　　　3　税務相談
第4回〜第6回
　　　 3.（1）資産税の課税標準
　　　　　　1　所得税（所36条）
　　　　　　　・課税物件・所得（収入）
　　　　　　　・課税標準＝金銭の場合は収入金額
　　　　　　　　物・権利等の場合はそれ自体の価額＝時価（客観的交換価値　判例）
第7回・第8回
　　　　　　2　法人法（法22条）
　　　　　　　・課税物件＝所得（益金）
　　　　　　　・課税標準＝益金の額＝時価（客観的交換価値　判例）
第9回〜第11回
　　　　　　3　相続税
　　　　　　　・課税物件＝相続財産
　　　　　　　・課税標準＝相続財産の価額（相11条の2）
　　　　　　　・標準基準＝時価（相22条）＝（客観的交換価値　判例）
第12回　　　4　不動産取得税
　　　　　　　・課税物件＝不動産の取得
　　　　　　　・課税標準＝不動産の価格（地73条の13）
　　　　　　　・評価標準＝適正な時価（地73条5号）（客観的交換価値　判例）
　　　　　　　・課税実務＝財産評価基本通達（国税庁）
第11・12回 5　固定資産税
　　　　　　　・課税物件＝固定資産（土地、家屋、売却資産）
　　　　　　　・課税標準＝固定資産の価格（地349条）
　　　　　　　・評価基準＝適正な価格（地341条5号）
　　　　　　　・課税実務＝固定資産標準基準（地388条、403条1項）（総務省）
第13回　4.（2）課税標準の認定
　　　　　　　1　取引価格
　　　　　　　2　客観的交換価値
　　　　　　　3　公的評価の一元化の問題
第14回　5.（3）不服申立て
　　　　　　　1　課税処分等に対する救済制度
　　　　　　　2　不服申立前置主義の趣旨
　　　　　　　　　　　争点の整理
　　　　　　　3　法廷における陳述権（税理士法　第2条の2）
第15回　　（4）税理士「税務弁護士」としての役割
　　　　　　　1　大学院における租税法教育
　　　　　　　2　税理士業務における訴訟法の予防法的必要性



　　　

【予習・復習】

 

【授業関連科目】

民法・商法・行政法

【成績評価方法・注意】

クラスでの報告内容，レポートの質で評価する。

※教科書は使用しないが、詳しいシラバスを配付する。
　石島　弘　租税法講義資料〔第五版〕及び 資産税の課税標準講義資料

【教科書】

プリントを配布する

【参考書】

著者：金子　宏　書名：租税法〔第22版〕　出版社：弘文堂
著者：日本税理士会連合会編　書名：税務六法（平成28年）　出版社：ぎょうせい