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研究指導1年前期 2単位 2014年度以後入学生
  経済   経営    
2013年度以前入学生
川本 和則 前期   経済   経営    
備考 大学院
シラバス1

【授業の目的】

授業の位置付け(対応するディプロマポリシー):DP1高度な専門知識、DP3〜DP5(思考力・判断力・表現力)、DP6〜DP9(主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)
 大学院商学研究科会計分野に係る研究指導として、本学大学院の教育理念である「社会科学の各専攻分野に関する高度の専門的知識と、具体的社会事象に関する問題分析能力、理論的予測能力、創造的な政策立案・実践能力を備えた人材の養成」の達成に貢献することを講義目標とする。

【到達目標】

 受講者が受講後に次のようなことができるようになること。
1. 将来事象の会計への導入問題および会計基準の国際的形成問題を中心に、現代の財務会計における重要な諸問題および研究動向を理解し、その内容を修士論文の作成に反映するために必要な基礎知識を習得できる。
2. 上述の問題がもつ会計上の意味に対する自らの考えをまとめ、修士論文を作成するために必要な会計学の研究手法を習得できる。
3. 修士論文のテーマを具体的に定める。

 研究指導1(I)では、現代会計に関する研究論文や会計基準の内容を検討し、現代会計の内容とその研究状況について習得させ、修士論文の作成を含めた研究を軌道に乗せるために必要な基礎能力の育成を目標とする。

【授業計画】

授業の位置付け(対応するカリキュラムポリシー):CP1高度な専門知識、CP3〜CP5(思考力・判断力・表現力)、CP6〜CP9(主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)

 研究指導1(I)では、現代会計に関する研究の最先端の状況を把握し、現代の企業会計における重要な諸問題に対する自らの考えをまとめるための準備として、その時々に大きな注目を集めている会計問題や最先端の研究動向の検討を通じた会計学の研究手法の指導を集中的に行う。
 毎回の講義では原則として予習すべき論文等を下記の会計基準、研究論文誌、専門雑誌、およびwebサイトなどから指定し、報告者を決める。報告者は次回の講義までにその論文等の内容を要約し、その論文等が問題としている点や論理構成などを中心に報告し、他の受講生からの質問に答えねばならない(報告者以外の受講生は必ず報告者に対して質問しなければならない)。そのような過程を通じて、アメリカ、日本、および国際会計における重要な会計問題や論理展開方法を指導するとともに、修士論文の作成に必要な独自の問題意識の養成や研究手法についても指導していく。

1. 演習の進め方について(第1回)

2. 現代会計における主要論点に関する検討
(1) 会計実務、会計基準(会計原則)および会計理論の関係
 第2回 会計実務、会計基準および会計理論の関係(予習内容:加藤盛弘『一般に認められた会計原則』森山書店、1994年、第1〜3章)
 第3回 会計基準と会計制度(予習内容:加藤盛弘『一般に認められた会計原則』第4章)
 第4回 会計原則設定機関の変遷と会計実務(予習内容:加藤盛弘『一般に認められた会計原則』第5章)

(2) 主要な検討項目(第5回から第14回)
 基本的にアメリカおよびわが国の会計基準、および国際財務報告基準(IFRS)を用いて、今日の財務会計に関する重要な問題(例えば、下記の問題)を検討する。検討する会計問題は、各受講生の関心および会計学の基礎知識の習熟度に応じてその内容を変更する予定である。
 ・ 減損会計
 ・ リース会計
 ・ 資産除去債務会計
 ・ 収益認識
 ・ 公正価値会計
 ・ 偶発事象会計
 ・ その他の現代会計
 なお、各回の予習範囲および参考資料は、いかなる項目を選択するのかによって異なるので、その都度、別途指示する。

第5回 わが国の会計基準(会計処理基準の検討)
第6回 わが国の会計基準(適用指針の検討)
第7回 わが国の会計基準(会計基準を支える会計理論の検討)
第8回 わが国の会計基準(会計基準に関する先行研究の分析)
第9回 わが国の会計基準(総括)
第10回 アメリカ会計基準およびIFRS(会計処理基準の検討)
第11回 アメリカ会計基準およびIFRS(会計基準を支える会計理論の検討)
第12回 アメリカ会計基準およびIFRS(会計基準に関する先行研究の分析)
第13回 アメリカ会計基準およびIFRS(総括)
第14回 会計基準の比較検討
第15回 総括


修業年限3年の学生については、研究指導1(I,II)において、この内容で指導する。
 

参考資料

・電子ジャーナル
  Business Source Elite
  Wiley−Blackwell
・論文誌
  Accounting Horizons (American Accounting Association)
  The Accounting Review (American Accounting Association)
  JAA会計プログレス(日本会計研究学会)
  會計(森山書店)
  会計・監査ジャーナル(日本公認会計士協会)
  企業会計(中央経済社)
・Webサイト
  FASB (Financial Accounting Standards Board)(http://www.fasb.org/home)
  IFRS Foundation (http://www.ifrs.org/Home.htm)
  企業会計基準委員会:財務会計基準機構(https://www.asb.or.jp/asb/top.do)
・会計基準
  国際財務報告基準(IFRSs)
  アメリカおよびわが国の会計基準
・データベース
  eol 有価証券報告書更新版
・書籍
  加藤盛弘『負債拡大の現代会計』森山書店、2006年。


【予習・復習】

予習(2時間)
 毎回、報告を課するので、関連する会計基準や先行研究等に関する報告の準備をするとともに、疑問点等をチェックして自分なりの意見を考えてくること。

復習(2時間)
 毎回の講義における検討内容を自分なりに整理しつつ、予習時に考えていた自分の意見に関して修正すべき点や発展させうる点等について検討する。復習時に生じた疑問点は質問すること。

【授業関連科目】

会計学特論I、会計学特論II
会計実務論特論I、会計実務論特論II
財務会計論特論I、財務会計論特論II
簿記論特論
国際会計論特論I

【成績評価方法・注意】

 成績は毎回の受講態度(報告や議論への参加などを含む)およびレポートによって評価する。報告は講義中にコメントし、レポートは後日、コメント等をつけて返却する。

【教科書】

プリントを配布する

【参考書】

適宜指示する