シラバス1
【授業の目的】
物語発祥以来の、文学の歴史的な変遷と発展を知ることは、その時代の社会やそこで生きる人々の心理を理解することでもある。これは大局的な観察力や洞察力を必要とし、本学の基本理念である社会事象を正確に捉え、分析することと密接な関係にある。またそれぞれの時代に生きる人々を理解できるということは、ひいては現代における一般大衆の空気感や、その中における自分のアイデンティティの確立にも役立つ。観察力や洞察力だけでなく、本講義を通じ、幅広い視野の獲得や大きな心を養うことを目的とする。
【到達目標】
受講生が受講終了までに、次のようなことができるようになることが到達目標である。 1.文学の発祥と変化について深く考察することで、歴史の中で生きている自分の存在についても大局的に客観視することができるようになる。 2.文学という素材を通じて、あらゆる文化や芸術が持つ意味や必要性についての認識を改めることができる。 3.歴史と共に多様な文学を知ることで、特に自分と所属する社会がこれからどこへ向かい、どのようになっていくのが望ましいか、考える機会として受け取ることができる。
【授業計画】
第1回:ミステリー作家の立場からの問題定義――謎解きのための二つの命題。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』冒頭。 事前学習:過去に読んだ物語で印象に残るものをピックアップし、その内容を再確認しておくこと。 事後学習:二つの命題を自分なりに考えてみる。
第2回:物語の発祥 最古の物語『ギルガメッシュ叙事詩』。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』物語の源流〜神話の形成。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:『ギルガメッシュ叙事詩』の内容とテーマを再確認しておく。
第3回:ギリシア神話と日本神話の比較。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』神々の戦い〜人の物語の萌芽。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:ギリシア神話と日本神話の類似性をまとめておく。
第4回:トロイの伝承と神話から人の物語への変遷。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』英雄物語の時代。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:トロイの伝承とその特徴をまとめておく。
第5回:日本における英雄譚 ヤマトタケル。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』英雄物語の時代(とその前後 戦争の起源〜もう一つの源流)。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:ヤマトタケルの物語の中にある文学性をまとめておく。
第6回:日本文学の祖『竹取物語』とその意外な背景。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』日本文学の発祥。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:『竹取物語』成立の特徴をまとめておく。
第7回:『源氏物語』の解説と平安期の文学についての理解。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』日本文学の発祥〜父系社会の文学 軍記物語。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:『源氏物語』と『竹取物語』が持つ母系文化的背景を自分なりに理解しておく。
第8回:日本文学の大きな転換。暗黒期と江戸期の文学『好色一代男』。 レポート課題評価。教科書:『デウス・エクス・マキーナ』父系社会の文学 軍記物語〜江戸期 娯楽の文学。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:江戸時代になり、どのような変化が文学に起きたか、整理する。
第9回:江戸期の文学の持つ多様性と娯楽性。『南総里見八犬伝』ほか。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』江戸期 娯楽の文学。 事事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:江戸期の文学の多様性についてまとめておく。
第10回:明治・大正期の文学の傾向。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』日本にだけ存在する平安。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:明治以降の文学がどのように変化したか、その理由を考える。
第11回:推理小説の発祥 『モルグ街の殺人』。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』ミステリーの発祥。『モルグ街の殺人』。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:ミステリーの発祥がどのようなプロセスが起きたか、まとめておく。
第12回:『本陣殺人事件』と『点と線』(1)。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』日本ミステリーの発祥〜日本における推理小説の確立。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:日本における本格的で古典的な推理小説を、『モルグ街の殺人』との関連で理解する。
第13回:『本陣殺人事件』と『点と線』(2)。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』日本における推理小説の確立〜名探偵=機械仕掛けの神。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:『本陣殺人事件』と『点と線』の違いを整理しておく。
第14回:蘇る名探偵の謎 『占星術殺人事件』と新本格派。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』名探偵=機械仕掛けの神〜神の復権。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:日本でだけ名探偵が復活した理由を考察しておく。
第15回:デウス・エクス・マキーナ その意味総括』――二つの命題への仮説。 教科書:『デウス・エクス・マキーナ』日本人のデウス・エクス・マキーナ〜文学のバイオリズム。 事前学習:テキストの該当箇所を事前に読み込んでおき、疑問点を整理しておく。 事後学習:時代の変遷と共に、文学がどのように変化してきたか、そこにどのような関係があるか、自分なりに整理しておく。
第16回:定期試験。 定期試験は教科書、ノートの持ち込みを許可する(コピーは不可)。留学生は、試験時に電子辞書の持ち込みを可とするが、スマートフォンのアプリケーションによる代用は認められない。
※ 講義の進捗状況ほかの事情で、多少前後へずれ込むことがあります。
【予習・復習】
予習(1時間程度)教科書の該当箇所を読み、講義の流れについて把握しておくこと。また疑問点を整理しておくこと。 復習(1時間程度)当日講義の箇所を再読。レポート提出の場合もある。
【授業関連科目】
文学を考える
【成績評価方法・注意】
試験,小テスト,レポート,その他 講義内容についての理解度の確認と到達目標にどの程度達したかを確認する、小テスト、レポート、定期試験を行う。小テストやレポートは、当日もしくは後日、解説を行い、優れたものを紹介する。定期試験終了時、模範解答を配布する。積極的な授業参加姿勢は加点の対象となる。
【教科書】
著者:石井敏弘 書名:デウス・エクス・マキーナ 出版社:
【参考書】
適宜指示する
シラバス2
【授業形態】
【授業方法】
受動型 |
アクティブラーニング |
その他 |
課題解決型 |
ディスカッション ディベート |
グループワーク ペアワーク |
プレゼン テーション |
フィールド スタディ |
その他 |
○ |
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【受講生のPC等使用】
PC・タブレット (教室に備付) |
PC・タブレット (学生自身が準備) |
スマートフォン |
その他 |
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【初年次教育】
【接続科目】
【評価(方法)手段】
評価(方法)手段 |
学部・学科カリキュラム・ポリシー(CP) |
知能・技能 |
思考・判断・表現力 |
主体性・態度 |
CP1 |
CP2 |
CP3 |
CP4 |
CP5 |
CP6 |
CP7 |
CP8 |
CP9 |
専門知識 |
一般知識 |
思考力 |
判断力 |
会話・文章力 |
意欲・責任感 |
協調性 |
持続性 |
倫理観 |
評価(方法)手段 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
学習目標(比率) |
19% |
11% |
19% |
11% |
16% |
12% |
|
6% |
6% |
評価手段(比率) |
試験 |
46% |
13 |
5 |
13 |
5 |
10 |
|
|
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小テスト |
18% |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
|
|
レポート |
18% |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
|
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成果発表 |
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|
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|
受講態度 |
18% |
|
|
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|
|
6 |
|
6 |
6 |
その他 |
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対応するディプロマ・ポリシー(DP) |
知能・技能 |
思考・判断・表現力 |
主体性・態度 |
DP1 |
DP2 |
DP3 |
DP4 |
DP5 |
DP6 |
DP7 |
DP8 |
DP9 |
専門知識 |
一般知識 |
思考力 |
判断力 |
会話・文章力 |
意欲・責任感 |
協調性 |
持続性 |
倫理観 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
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