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法学特殊講義I 2単位 2年以上 経済   経営  
         
粟屋 剛 後期1コマ クラス:  

【授業の目的】

本講義は「医療と法」の続編である。本講義のねらいは、受講生がより多くの医療に関する倫理的、法的、社会的問題(=ELSI)を理解するようになることである。

【到達目標】

受講生は本講義を通して知識を身につけると同時に、「ものの考え方」をより深く身につける。本講義を通して受講生の目からたくさんの鱗(うろこ)が落ちることを期待する。


【授業計画】

授業形態:講義 授業方法:受動型

第1回 【テーマ】 特殊臓器採取原をめぐる法と倫理 【内容】 特殊臓器採取原(無脳児ドナー、胎児ドナー、死刑囚ドナー[後出]、尊厳死・安楽死ドナー、自殺ドナー、被虐待児ドナーなど)に関する法的、倫理的問題を概説する。
第2回 【テーマ】 臓器売買をめぐる法と倫理 【内容】 インド、フィリピン、日本などでの臓器売買の実態を紹介し、その上で、人間の尊厳等との関係において臓器売買に関する法的、倫理的問題を概説する。
第3回 【テーマ】 中国死刑囚・法輪功移植をめぐる法と倫理 【内容】中国における死刑囚や法輪功学習者からの臓器の摘出・移植に関する法的、倫理的問題を概説する。
第4回 【テーマ】 病気腎移植をめぐる法と倫理 【内容】 がんの腎臓を移植してよいかという問題を含めて、病気腎移植一般に関する法的、倫理的問題を概説する。
第5回 【テーマ】 移植ツーリズムをめぐる法と倫理 【内容】 渡航移植患者の人権の問題(とくに患者帰国後診療拒否の事例)を含めて、移植ツーリズム一般に関する法的、倫理的問題を概説する。
第6回 【テーマ】 尊厳死法案及び各種尊厳死ガイドラインをめぐる諸問題 【内容】我が国の尊厳死法案及び各種尊厳死ガイドラインの問題点を検証する。
第7回 【テーマ】 死体解剖保存をめぐる法と倫理 【内容】自己決定権の視点から、とくに病理解剖標本返還請求事件等を参照しつつ、死体解剖(系統解剖、病理解剖、法医解剖)及び保存をめぐる法的、倫理的問題について概説する。
第8回 【テーマ】 輸血拒否をめぐる法と倫理 【内容】エホバ最高裁判決(東大医科研事件判決)を参照しつつ、宗教的信念等による輸血拒否をめぐる法的、倫理的問題について概説する。
第9回 【テーマ】 バイオバンクをめぐる法と倫理 【内容】バイオバンクに関する現状を紹介した上で、その法的、倫理的問題点について概説する。
第10回 【テーマ】 本人意思のない臓器摘出をめぐる法的、倫理的問題 【内容】改正臓器移植法によって導入されたオプトアウト方式の問題点を指摘した上で、本人承諾のない臓器摘出をめぐる法的、倫理的問題を概説する。
第11回 【テーマ】 本人意思のない医療停止をめぐる法的、倫理的問題 【内容】 高齢重度認知症患者及び重症新生児に焦点を当て、いわゆる消極的安楽死における本人意思のない医療停止をめぐる法的、倫理的問題を概説する。
第12回 【テーマ】 ロボトミーをめぐる法と倫理 【内容】 我が国におけるいくつかのロボトミー判決を参照しつつ、ロボトミーをめぐる法的、倫理的問題について概説する。もちろん、精神障害者の判断能力の問題にも触れる。
第13回 【テーマ】内部告発と公益通報者保護法制 【内容】医療現場における内部告発の実例を紹介し、その上で公益通報者保護法制について概説する。
第14回 【テーマ】 人間論―人の法的、倫理的意味― 【内容】 パーソン論を含めて、人の法的、倫理的意味、ひいては、人とは何か、という根本的な問題について概説する。もちろん、権利能力論も概説する。人間機械論にも言及する。
第15回 【テーマ】 生命倫理基本法構想 【内容】 我が国には、その必要性は指摘されつつも、未だ生命倫理基本法は制定されていない。ここでは、その構想プロジェクトを紹介する。
※予習・復習について
 予習1時間、復習1時間。全員が教科書等を用いて事前に学習する。


【授業関連科目】

医療と法、刑法、民法、憲法


【成績評価方法・注意】

試験なし。
出席状況、受講態度、小テストから総合的に評価する。
遅刻と私語は、犯罪ではありませんが、おやめ下さい。


【教科書】

著者:粟屋剛ほか 書名:生命倫理学講義スライドノート 出版社:ふくろう出版


【参考書】

著者:粟屋剛ほか 書名:シリーズ生命倫理学・全20巻 出版社:丸善



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