【授業の目的】

債権の内容や分類、債権そのものの取引、債権の行使（＝債務の履行）とその保全、債務不履行への対処等について、具体的な事例を素材として解説し、債権総論の領域が、担保法とも関わりをもち、また証券取引や株式投資の基礎ともなっていることを意識させる講義を行いたい。

【到達目標】

１）財産法の全体像の中に「債権総論」の領域を適切に位置づけることができるようになること。
２）債権の分類ごとに、債務内容とその弁済方法を理解できるようになること。
３）債権譲渡の方法と、譲渡によって達成されようとしている目的を理解できるようになること。
４）債権総論のいくつかの制度が、優先的な債権回収方法として応用されていることを知り、ひいては企業等による他の資金調達方法との異同を理解できるようになること。

【授業計画】

授業形態：講義

授業方法：受動型

授業計画（シラバス）：
１）ガイダンス ／ 民法改正案の取り扱い
２）財産法の全体像とこの講義の対象
３）債権の特徴 ／ 債権の分類・種類（その１）
４）債権の分類・種類（その２）
５）債権譲渡 ／ 債務引受
６）弁済 ／ 代物弁済 ／ 供託
７）相殺 ／ その他の債権消滅原因
８）多数当事者の債権・債務
９）強制執行 ／ 債務不履行による損害賠償責任の成否（その１）
10）債務不履行による損害賠償責任の成否（その２）
11）債務不履行による損害賠償の効果
12）責任財産の保全（その１）− 債権者代位権
13）責任財産の保全（その２）− 詐害行為取消権
14）債権者平等の原則 ／ 抜け駆け的債権回収
15）人的担保 − 保証

※授業１回あたり、概ね１〜２時間の予習・復習を要する。
　予習：テキストを読み進めておくこと。課題が課されたときはやってくること。
　復習：レジュメを参考に、再度、要点の把握に努めること。分からないことがあれば、教員に質問に行くこと。

【授業関連科目】

民法概説、民法総則、物権総論、担保物権、契約法、不法行為法

【成績評価方法・注意】

評価方法：試験とレポートの双方。レポート課題（コメントペーパー）は２回を予定している。なお、評価にあたって、出席状況を含む「学習意欲・受講態度」等を加味することがある。
注意：講義には六法を必ず持参すること。

【教科書】

著者：小川富之＝福田健太郎編　書名：『ロードマップ民法３−債権総論−』　出版社：一学舎

【参考書】

著者：中田裕康ほか編　書名：『民法判例百選II債権〔第７版〕』　出版社：有斐閣