【授業の目的】
本講義は、経営学部商学科に入学した受講生が将来、就職することになるであろう企業の諸活動についての理解を深め、将来、企業論I/企業論IIをはじめとする授業関連科目を履修する際に必要となる基礎的知識や就活に際し必要となる企業分析の重要な手法を修得することを目標とする。それらを通じて、本学の教育目標である「専門学術の振興」への貢献を目指す。
【到達目標】
授業目標に基づいて、次の具体的目標を達成することを目指す。 1.企業が公表する財務諸表から、企業分析を行なう基本的なな研究手法を学び、企業に関する基礎知識を習得し、投資家、金融機関、取引先、学生/就職希望者など様々なステークホルダーの立場から、企業をどのように分析するかを理解する。 授業関連科目である「企業論I/企業論II」の最終到達目標である「企業の持続的成長の可能性」を理解する手掛かりを得る。 2.企業がインターネットを通じて発信する様々な情報を適切に受領し、単に企業のHPの「採用情報」を見るだけではなく、もっと重要な企業の「IR情報」を分析することによって、企業活動の全般を俯瞰する広範な思考能力を修得する。
【授業計画】
授業形態:講義、授業方法:受動型 「企業論I/企業論II」を将来、受講する学生を含め、企業と何らかの関係を持つ受講生にとって必要不可欠な知識を学べるよう、15コマの講義を行なう。内容は以下の通りである。
1. オリエンテーション、上場企業と未上場企業が公表する経営情報 2. 企業分析に重要な定量分析(三つの分析アングル) 3. 企業分析に更に重要な質的分析(ESG、統合報告分析) 4. 企業分析の究極的目標(経営者分析&評価) 5. 企業が発信する経営情報(企業概要、IR情報、CSR、ニュースリリース、採用情報など) 6. 企業のHPの見方 7. 日本経済新聞の見方 8. 四季報や会社情報の見方 9. 企業分析に重要な同業種他社比較、異業種他社比較 10. 事例研究(A社対a社)・・・同業他社比較 11. 事例研究(A社対B社)・・・異業種他社比較 12. アナリストの仕事 13. ファンドマネジャーの仕事 14. ベンチャーキャピタリストの仕事 15. まとめ(就職か就社か、天職をさがそう!)
なお、予習・復習に要する時間は各々の受講生によって異なるが、各講義の前に聞きたいこと、各講義の後に分からなかったことを整理することが重要である。
【授業関連科目】
企業論I、企業論II、経営分析論、簿記論、会計学
【成績評価方法・注意】
就職したい(就社ではなく)と思っている企業(上場企業、未上場企業を問わない)の企業分析レポート(当該企業の過去、現状、未来について、A4で10ページ以内)をまとめて提出する。(70点)更に、日頃の出席は大前提として、その出席状況や聴講時の積極性(30点)も考慮し、総合的に評価を行う。
【教科書】
著者:近藤一仁 書名:企業価値向上のための経営情報戦略〜IRの本質について〜 出版社:中央経済社
著者:近藤一仁/柳 良平 書名:企業価値評価改善のための財務・IR&SR戦略 出版社:中央経済社
【参考書】
著者:近藤一仁 書名:アナリストの仕事 出版社:日本能率協会マネジメントセンター
著者:前澤秀忠 書名:IR就活〜就活生の誰もやっていない企業研究の極意〜 出版社:中央経済社
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