【授業の目的】

　企業が報告する純損益の金額は、企業にとっても社会にとっても非常に重要なものである。本講義ではその利益の計算結果を報告する財務諸表の正当性がどのようにして支えられているのかを、貸借対照表項目や個別問題の会計を中心に検討していく。
　本講義は、会計学分野のひとつである財務諸表論の学習を通じて、本学の教育目標のうち、主に「専門学術の振興」に貢献することである。

【到達目標】

　本講義の到達目標は、本講義の受講後に受講生が下記のことをできるようになることである。
１．資産、負債、および資本（純資産）の会計処理について、その概要を説明できること。
２．株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書および包括利益計算書について、その概要を説明できること。
３．連結財務諸表を理解できること。
４．会計制度および財務諸表の社会的役割について説明できること。

【授業計画】

授業形態：講義　授業方法：受動型

1． 貸借対照表の表示区分と資産の貸借対照表価額（プリントを配布する）

2． 流動資産の会計処理（教科書第5章）

3． 債権と有価証券の会計処理（教科書第5章）

4． 固定資産の会計処理(1)（有形固定資産）（教科書第6章）

5． 固定資産の会計処理(2)（無形固定資産および投資その他の資産）（教科書第6章）

6． 繰延資産の会計処理（教科書第7章）

7． 流動負債の会計処理（教科書第8章）

8． 固定負債の会計処理（教科書第9章）

9． 引当金の会計処理（教科書第10章）

10．資本（純資産）の会計処理（教科書第11〜12章）

11．株主資本等変動計算書と包括利益計算書（教科書第12章およびプリントを配布する）

12．キャッシュ・フロー計算書（教科書第13章）

13．連結財務諸表（プリントを配布する）

14．会計基準のコンバージェンスとわが国の企業会計制度（プリントを配布する）

15．会計制度および財務諸表の社会的役割（プリントを配布する）


　毎回の講義に関する予習・復習については、下記の内容を参考にすること。
・予習（1時間）　上記の授業計画を参考にして、次回の講義で学修する内容について教科書やプリントを読む。その際、意味を理解しにくい用語や会計理論に関する疑問点などをチェックし、講義での説明をノートにメモする必要がある部分を明らかにしてくること。なお、毎回の講義で、教科書のどの部分を予習すればよいのかを具体的に指示する予定である。

・復習（3時間）　毎回の講義で進んだ範囲の教科書、プリント、および講義中に板書した内容等を読み返し、自分なりに整理できるようにする。その際、予習時にチェックしておいた疑問点について理解できているかどうかを確認すること。復習時に生じた疑問点や理解しにくい点は、オフィスアワーや次回の講義の際に質問するなどすること。

【授業関連科目】

　会計学I・II
　財務諸表論I
　簿記論I〜IV

【成績評価方法・注意】

成績評価方法：試験のみ
　成績は原則として最終試験の点数により評価する。なお、毎回の出席確認は、セキュリティーシートを用いて行う。
　受講生はすでに財務諸表論Iを受講していることが望ましい。

【教科書】

著者：加藤盛弘、志賀理、上田幸則、川本和則、山内高太郎、豊岡博　　書名：会計学の基本−基礎から現代の会計−　第2版　出版社：森山書店

【参考書】

適宜指示する