【授業の目的】
経営学部商学科の専門科目として、本学の教育目標である「専門学術の振興」に貢献すること。日本では、経済の成熟化・少子高齢化にともなう所得の伸び悩み・年金の将来不安の中で、資産運用(ポートフォリオ・マネジメント)の重要性が増している。本講義では個人の資産運用に関連する幅広い知識の修得を目標とする。
【到達目標】
受講生が、次の内容について専門知識を持つことにより、資産運用についての理解を深め、それぞれの項目について説明できるようになること。 1.運用対象になる資産(金融商品)の種類とその特徴 2.リスクとリターンの関係、リスクの計測方法 3.債券・株式等の収益特性、収益計算方法、投資手法 4.ポートフォリオ(組み合わせ)投資の意義、近代ポートフォリオ理論の基礎 5.投資信託および類似商品の商品内容と活用方法
【授業計画】
この講義は、本学と東京のスタジオをテレビ会議システムにより結び、同時かつ双方向に行われる遠隔地授業である。 授業形態:講義 授業方法:受動型 1、ポートフォリオ・マネジメント(資産運用)序論 資産運用の重要性、資産運用手段の種類と特徴、資産運用の国際比較 (プリント) 2、リスクとリターン 金融商品のリターンとリスク(保有期間との関連)、実質リターン、複利 (プリント) 3、債券投資 債券の種類、利回り計算、金利と債券価格の関係、デュレーション、イールドカーブ、格付け、外債投資 (プリント) 4、株式投資(1) 株式投資の損益(配当と値動き)、株価変動をもたらす要因と投資尺度、過去の実績(プリント) 5、株式投資(2) 銘柄選択手法、投資スタイル、社会的責任投資という考え方(プリント) 6、デリバティブ 種類と内容(先物、オプション、スワップ)、損益計算、活用法(プリント) 7、ポートフォリオ投資の考え方(1) リスクの測定(標準偏差)、分散投資(資産、時間)の意義・手法、相関関係(プリント) 8、ポートフォリオ投資の考え方(2) 効率的フロンティア、CAPM(ベータ)、シャープレシオ(プリント) 9、投資信託(1) 仕組み、歴史、商品体系、コスト、保有者、販売者、アクティブ運用とパッシブ運用(プリント) 10、投資信託(2) 運用実績、評価機関、いつ・どこで・どのような方法で買うか、商品の選び方、情報の取り方(プリント) 11、ケーススタディ(1) 投資信託の新商品と人気商品の変遷(担当:鳴滝善計)(プリント) 12、ケーススタディ(2) 資産運用商品としての投資信託、投資顧問ラップ口座(担当:鳴滝善計)(プリント) 13、ヘッジファンド 特徴、仕組み、投資戦略、リターン(伝統的資産との相関関係)、活用法(プリント) 14、ライフサイクルと投資運用 年齢と投資配分、人的資産との関係、老後に備える資産形成、退職後の資産運用(プリント) 15、投資の行動経済学 損失回避、フレーミング、後悔回避、決定の先送り、群集行動、心理的会計など(プリント)
【授業関連科目】
証券市場論、金融論、FP概論、金融資産運用・不動産
【成績評価方法・注意】
到達目標については、講義3回毎に1回行うミニテスト、期間中に1回提出するレポート、期末試験で評価する。ミニテストに20点、レポートに10点、期末試験に70点をそれぞれ配点し、総合的に評価する。なおテレビ会議システムを利用した遠隔講義であるため、毎回の講義の実施に当たり、授業の運営、出席確認、資料の準備、質問等の対応を行う補助責任者(本学専任教員)を配置する。
【教科書】
プリントを配布する
【参考書】
適宜指示する
|