【授業の目的】
学芸員課程に係る教養科目(選択科目)として、本学の教育目標である「社会的人材の育成」に貢献することを授業目標にする。博物館学芸員資格の取得を受講目的としない学生の場合は、幅広く深い教養及び総合的な判断力を養う教養科目として、本学の教育目標である「幅広い学習機会の提供」に貢献することを目指す。
【到達目標】
医療技術の発達や関係法令の整備等、様々な社会環境の変化により、これまで常識と思われていたかたちの夫婦・家族関係や「家」が大きく変容しはじめている。そこで、私たち日本人庶民にとって「家」とはどのようなものであったのかを様々な角度から学び、受講を終えた段階で次の事柄ができるようになることを到達目標とする。 1.夫婦や親子、先祖祭祀に対する理解を深め、日本人の家観念について説明できる。 2.寺院・神社と家との関係性に注目し、歴史的推移を含めて説明できる。 3.民家・民具から庶民の生活様式を把握するとともに、それらを後世に残す必要性を説明できる。 4.家の今後のあり方について、現在・過去の様相を念頭に置きつつ試論を提示することができる。
【授業計画】
授業形態:講義 授業方法:受動型 1.家族・家(1)〜身近な実生活をみまわして、「家とは何か」を再確認する 2.家族・家(2)〜家・家制度の歴史を知る 3.家族・家(3)〜夫婦の前段階として、恋愛・結婚観の変容を知る 参考書:福田ほか(2012)pp.102-103。 4.家族・家(4)〜夫婦のかたちや、主婦の権限について知る 参考書:福田ほか(2009)pp.82-90。 5.家族・家(5)〜親子関係のかたちと家族の形態について知る 参考書:福田ほか(2012)pp.102-103。 6.家族・家(6)〜隠居と相続のかたちと、その背後にある観念を知る 参考書:福田ほか(2009)pp.54-63。 7.墓制(1)〜墓と墓石、葬法の諸相を知る 参考書:福田ほか(2009)pp.102-103。 8.墓制(2)〜他界観・先祖祭祀について知る 参考書:福田ほか(2009)pp.192-199。 9.家と寺院(1)〜檀家制度の歴史的展開を知る 参考書:福田ほか(2012)pp.230-231。 10.家と寺院(2)〜寺檀関係の実態を垣間見る 参考書:福田ほか(2012)pp.230-231。 11.家と寺院(3)〜檀家制度・寺檀関係の特徴を知る 参考書:福田ほか(2012)pp.230-231。 12.家と神社〜氏神・氏子の関係や、家族国家観について知る 参考書:福田ほか(2012)pp.208-209。 13.家にあるモノ(1)〜民家と民具を概観しながら、昔の生活様式を知る 参考書:岡山民俗学会(2012)pp.7-28,138-144。 14.家にあるモノ(2)〜住生活のうち、岡山を代表する花莚「錦莞莚」を知る(前編) 参考書:吉原(2008)pp.9-46,95-133。 15.家にあるモノ(3)〜住生活のうち、岡山を代表する花莚「錦莞莚」を知る(後編) 参考書:吉原(2008)pp.71-94,134-146。
予習(0.5時間程度)参考書の該当箇所を読み、前回講義との関連性(つながり)を把握すること。 復習(2.5時間程度)講義内容と自己の日常生活とを比較し、課題に基づいて情報収集をすること。
【授業関連科目】
民俗学I
【成績評価方法・注意】
成績評価方法:試験とレポート両方 (1)確認テスト(兼出席票。毎回授業開始時に15分程度実施)、(2)レポート、(3)期末試験(記述式)、の3項目を対象に、4:3:3の比率で評価する。ただし、各項目のそれぞれにおいて100分の60以上の達成度を必須とする(期末試験とレポートが両方ともに満点であっても、確認テストの総評点が後期を通じて6割未満であれば、単位を与えない)。 前期の民俗学Iを履修済みであることが望ましい。
【教科書】
プリントを配布する
【参考書】
著者:岡山民俗学会ed.(2012) 書名:『岡山民俗館』 出版社:日本文教出版(岡山)
著者:福田アジオほかed.(2009) 書名:『図説 日本民俗学』 出版社:吉川弘文館
著者:福田アジオほかed.(2012) 書名:『図解案内 日本の民俗』 出版社:吉川弘文館
著者:吉原睦(2008) 書名:『磯崎眠亀と錦莞莚』 出版社:日本文教出版(岡山)
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