【授業の目的】

本演習では、会社法の重要問題・判例・裁判例について検討する。とりわけ、取締役制度・株主代表訴訟を中心とした会社の機関（株式会社がどのように運営されるかということ）に関する分野を取り扱い、これを習熟することをめざす。

【到達目標】

・　複雑で対象範囲が膨大である会社法について、とくに会社の機関（いわゆるコーポレートガヴァナンスの仕組み）についての最低限の基礎・骨格部分について理解を深めてもらう。
・　就職活動および社会に出てから「これだけは勉強した」と自信をもっていえるモノをレポート（および下記シラバス３にいうレポートの中間報告）の形で残してもらう。
・　学習上の話ではないが、下記シラバス４にもあるように、ゼミで共に勉強する仲間を、かけがえのない（大学を卒業してからも忌憚なくつきあえる）一生の友達にしていただければ幸いである。

【授業計画】

１　会社法の概観（３年生第1回〜第25回ごろまで）
　演習のうち、３年生の後期半ばごろまでは、３年生である受講者全員が、会社法をまだ勉強していないことを前提に、必要最低限の会社法（とりわけ機関に関する部分）の知識を、講義形式で概観する。

２　判例・重要問題などの研究（３年生第26回ごろ〜４年生第15回ごろまで）
　つづいて、３年生後期後半ごろから４年生前期にかけて、各テーマ・重要判例につき、あらかじめ報告者を決めて、その報告に基づき、出席者全員でそのテーマについて討論して理解を深める。具体的な内容は、受講者と話し合って確定する。

３　レポートの作成（４年生第16回ごろ〜４年生第30回まで）
　４年次末には、一定の勉強の成果をあらわした研究レポートを作成してもらう。テーマは商法・会社法の分野のなかから各自で選択して貰う（必要があれば教官が助言するが、授業計画２にある「判例・重要問題などの研究」において報告した分野と同じテーマについて、これを深めたりその応用的なことをレポートのテーマに選んでいただいてもかまわない）。４年生後期頃からレポートの中間報告を演習の授業の際に行い、各人数回の検討を経て、段階的によりよいレポートに仕上げてもらう予定である。

４　課外イヴェント
　また、授業以外にも様々な見学会、また勉強以外の各種親睦会（いわゆるコンパ）・ゼミ旅行（平成１９年度は北九州・福岡方面、平成２０年度は神戸方面、平成２１年度と平成２５年度は沖縄本島方面、平成２２年度は横浜・秋葉原・浅草方面、平成２３・２４・２６年度は流会、平成２７年度は冬頃の実施を協議中）etc.も予定しており、（強制ではないが）受講者の積極的な参加が求められる。大学でのサークルやゼミは、経済的利害関係がつきまとわない友人（社会人になってからでは得難いものである）を得る最後のチャンスである。演習でのゼミ生同士の出会いや交流を大切にしてほしい。

５　予習・復習について
　前記１の「会社法の概観」について、原則としてに予習は求めないが、授業後、１．５時間程度の復習は求める。（次回の授業で復習してきたかどうかを確認する）。
　前記２「判例・重要問題などの研究」・３「レポートの作成」については、予習として、報告者だけでなく、参加者全員にも、必要最小限の資料に目をとおしてもらうことを求める。

【授業関連科目】

会社法・商法

【成績評価方法・注意】

出席点・毎回の授業に対する参加態度（割り当てられた報告の内容、議論への積極的発言および意見表明）およびレポート（４年次）などで評価する。場合によっては、３年次の講義形式の授業の合間に小テストを実施する場合もある。

【教科書】

著者：弥永真生　書名：『リーガルマインド会社法【第１4版】』　出版社：（有斐閣・２０１５年）ただし諸般の事情により、テキスト変更の可能性が大いにあるので、開講直前期の掲示に十分に注意したうえで、準備して下さい。

【参考書】

適宜指示する